職業訓練における自尊感情を高める指導法についてダルフールでセミナーを開催！

雇用セクターでは、ダルフールにて紛争の影響を受けた女性や若者の収入創出機会を増やすために短期職業訓練サービスの拡充支援をする他、雇用契約を結ばずに無・低賃金で働く徒弟の就労環境の改善活動を実施しています。主な活動として、女性の起業を目的とした食品加工訓練の実施、若者の就労を目的とした短期技術訓練の実施、そして初等教育を中退したり、進学しなかった若者の受け皿としての役割を果たしている既存の徒弟制度を強化するため、雇用契約に基づいた就労の促進と、仕事場における職業教育（親方が徒弟に対して仕事を通じて職業技術や知識を身につけさせること）の質の改善活動を実施しています。
SMAPIIでは、このような紛争の影響を受けた徒弟および職業訓練生の自尊感情（注）に焦点を当て、雇用促進や就労支援がダルフールにおける平和構築活動にどのように貢献できるか、カウンターパートと研修や会議の場で協議をしてきました。その結果、自尊感情の中でも自分の知識や技術に自信をもてること、職場で必要なコミュニケーション能力を身につけること、自分の意見を適切に伝えることが重要であると認識され、それらをどのように訓練を通じて向上させるかについて議論してきました。議論された自尊感情を高める指導法についてはカウンターパートを通して徒弟を抱える零細企業経営者ならびに女性や若者に職業訓練を提供する講師に伝えられてきましたが、今回はSMAPIIスタッフが直接、経営者や講師に対して指導を行いました。
セミナーに参加した経営者からは、「お金ではなく、肯定的な言葉かけで徒弟の勤務態度が改善し、職場の生産性を高めることができることを知ることができた」とコメントがあり、実際に自尊感情の向上につながった現場での指導経験について情報交換がなされました。
SMAPIIでは徒弟および訓練生の自尊感情が高まることにより、彼らが積極的に訓練に参加するようになり、雇用・起業後も前向きに仕事が続けられるとようになると考えています。そして彼らの経済的安定がさらなる自尊感情や自信の向上につながり、自身の力を最大限発揮できることにより職場や地域社会の安定に貢献することを期待しています。