職業訓練におけるグループワークに関する研修を実施

2017年9月15日

雇用セクターでは紛争の影響を受けた女性や若者を対象とした短期職業訓練サービスを支援しています。
職業訓練に参加しているのは30代の女性と20代の若者が多いです。
ダルフール紛争が最も激しかったのは2003~5年。
訓練対象である女性や若者が学齢期のときに紛争が激化しました。
そのため、彼女ら彼らは十分な学校教育を受けることができず成長していきました。

学校での学習の中心は学力と思う方も多いと思いますが、それだけではありません。
人とのかかわりや礼儀、ルールを守ることなどの社会性も学ぶ場が学校です。
学校教育を十分に受けられないということは、学力のみならず社会性を十分に獲得する機会をももてなかったということです。

プロジェクトが支援する職業訓練では、コミュニケーションスキルの向上や自信や責任感、自尊感情などの心理的側面を高めることを目的としたグループワークの時間を設けています。
この時間が効果的なものとなるように、女性訓練と若者訓練の講師を対象としたグループワーク研修を実施しました。

研修では、共同作業を通して責任感とチームワークを醸成するグループワークの紹介や、訓練生のやる気や自信を高める発表の仕方に関する説明、グループワークでの意見交換を通した“相手の意見を聞く姿勢”と“気持ちや考えを的確に伝える”コミュニケーションスキルの向上を目指した指導法などを伝えました。

訓練生の中には、基礎的な読み書きができない非識字者もいます。プロジェクトでは、非識字者への指導の留意点と彼女・彼らのやる気や自尊感情に配慮をした指導法についても紹介し、インクルーシブな職業訓練の実施を目指しています。

これらのグループワークを実践した結果、訓練生の生活態度が改善したり、長年不仲であった家族や近所との関係が改善した訓練生もいるとの報告を受けています。
プロジェクトでは職業技術のみならず、訓練生の心理面にも配慮した職業訓練を今後とも進めていきます。

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北ダルフールにおける女性訓練・若者訓練講師に対する研修。非識字の女性訓練生に対する指導法について議論がなされた。

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南ダルフールにおける女性訓練・若者訓練講師に対する研修。若者訓練でのグループワークのやり方について活発に議論がなされた。