プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)ダルフール3州における公共サービスの向上を通じた平和構築プロジェクト
(英)The Project for Strengthening Peace through the Improvement of Public Services in Three Darfur States

対象国名

スーダン

署名日(実施合意)

2014年12月11日

プロジェクトサイト

ハルツーム、ダルフール3州(北、南、西)

協力期間

2015年3月23日から2020年7月31日

相手国機関名

(和)地方分権化最高評議会
(英)Higher Council for Decentralized Governance

背景

ダルフール地域は、スーダンの西部に位置し、面積493,180平方キロメートル、非常に多様な部族で構成されている。人口は、約750万人(2008年国勢調査)を有し、主に遊牧や農業、その両方を営んで生活している人々から構成されている。
ダルフール紛争の結果、2010年までに190〜270万人のIDPが発生し、現在も170万人が治安や生活に必要な基礎インフラやサービス、生計手段の欠如などの問題からIDPキャンプでの生活を余儀なくされている。紛争や近年の環境悪化の問題からダルフール地域での食糧生産は減少し、食糧安全保障の問題も深刻化している。
ダルフール紛争は様々な問題が複雑に絡み合っているが、スーダンの他の紛争同様、以前から辺境地域として開発から取り残され開発が進まないこと、それに加えて行政機関の能力が弱いことが根本的な問題と考えられている。また、自然資源(農地、牧草地、水)を巡る争いは、ダルフール紛争の固有の問題となっている。特に、近年の気候変動の影響を受けて資源を巡る争いは薪や飼料、建設用の木材まで問題が広がっている。
母子の高い罹患率や死亡率は現在も大きな課題である。5歳未満死亡率は1000人当たり110人、妊産婦死亡率は100,000人当たり277人と非常に高い(The Sudan Household Health Survey2006、2010)。
安全な水へのアクセス問題では、スーダン全体の70.4%に対し、ダルフールは48.9%である(5th Sudan Population and Housing Census 2008)。ダルフール紛争が本格化した2003年よりも以前の頃と比べると指標は改善傾向にあるものの、スーダン全体との比較では20%も差があり大きく立ち遅れている。
生計手段の多様化は高いニーズがあるが、生計活動の機会は極めて乏しい。多くのIDPキャンプでは、経済活動の機会が限られ、生活は人道支援に大きく依存している。このようにダルフールは様々な問題を抱えており、2011年はIDP・難民で13万人の自主的な帰還が確認されたが、帰還は限定的な形に留まり多くの人々は帰還できずにいる。持続的な帰還を促進していくためには、経済活動と生計向上が不可欠となっている。
長年の紛争の影響で、各州政府の能力は極めて弱く行政サービスが低い水準にある。そのため、行政機関職員の能力強化は、行政サービスの向上を図る上で不可欠となっている。母子保健、水供給、職業訓練の各機関の能力強化を図り、サービスの質を高めていくことはダルフール地域における基礎的な公共サービスへの住民のアクセス改善に貢献するものであり、州政府に対する不満や不公平感を緩和し行政への信頼醸成を図る事によって、紛争の政治的解決に向けて地域の安定を後押しするものである。

目標

上位目標

ダルフール3州(北、南、西)において、質の高い母子保健、水供給、職業訓練サービスが人々に提供される。

プロジェクト目標

ダルフール3州(北、南、西)において、妊娠・出産・新生児に関するケア、給水施設の改修や新規建設、職業訓練のサービスプロバイダーの能力が強化される。

成果

本プロジェクトは主に各行政機関のプロジェクトマネージメントに関する能力強化に取り組む。なお、各分野の具体的な成果は以下の通り。

1.州水公社地方給水局職員の給水施設の改修や新規建設に関する知識や技術が研修やパイロット活動を通じて育成される。
2.州保健省、村落助産師、病院職員の妊娠・出産・新生児ケアに関する知識や技術が研修やパイロット活動を通じて育成される。
3.州教育省や技術学校職員の職業訓練サービスに関する知識や技術が研修やパイロット活動を通じて育成される。
4.州財務省の計画策定、調整業務、モニタリング・評価に関する知識や技術が育成される。

活動

1.給水分野

1-1.パイロット活動の計画策定(給水施設の改修、井戸の新規開発)
1-2.パイロット活動チームメンバー向け研修
1-3.既存給水施設の状況、地下水開発の可能性、給水施設の利用状況に係る調査
1-4.SWC計画担当職員向け研修(モニタリング・評価)
1-5.機材管理研修
1-6.パイロット活動の実施
1-7.パイロット活動の効果に係る調査

2.保健分野

2-1.パイロット活動の計画策定(村落助産師向けフォローアップ活動、コミュニティ啓発活動、緊急産科ケア)
2-2.HV、AHV、病院職員向け研修
2-3.保健省計画担当職員向け研修(モニタリング・評価)
2-4.機材管理研修
2-5.パイロット活動の実施
2-6.パイロット活動の効果に係る調査

3.職業訓練分野

3-1.パイロット活動の計画策定(短期職業訓練コース)
3-2.指導員向け研修
3-3.教育省計画担当職員向け研修(モニタリング・評価)
3-4.機材管理研修
3-5.パイロット活動の実施
3-6.パイロット活動の効果に係る調査

4.計画・調整分野

4-1.計画策定、調整業務、モニタリング・評価に関する研修
4-2.各実施機関のパイロット活動計画のとりまとめ
4-3.州調整委員会(SCC)、合同調整委員会(JCC)の開催
4-4.プロジェクト評価調査の実施

投入

日本側投入

日本人専門家
本邦研修や第三国研修に必要な経費
パイロット活動に必要な機材

相手国側投入

カウンターパートの配置
HCDGと州財務省内にJICA専門家用の執務スペースの提供
パイロット活動に必要な経費