プロジェクトの開始

2016年8月15日

スーダンの水資源の課題

2016年8月から本プロジェクトが始まりました。スーダンはアフリカ北東部の半乾燥〜乾燥地域に位置しています。世界的な大河川であるナイル川が国土の中央部を南北に流れているためナイル川沿いの地域では豊かな水資源を享受しています。その一例として世界的規模を誇るゲジラ灌漑地などの大規模な水使用施設や大規模ダムがナイル川沿いに整備されています。その一方、ナイル川から遠く離れた地域では、ワジ(涸れ川)と呼ばれる季節河川の水を利用しています。しかし、ワジは乾季には枯れ上がってしまいます。スーダンは近年人口が急速に増加し、水の使用量が増えたため水不足が顕在化してきました。特に、ノン・ナイル地域と呼ばれナイル川の水を使うことが出来ない地域では、今後水不足が深刻化することが心配されています。

プロジェクトの概要

スーダンの水問題を解決するために、本プロジェクトではスーダンの水資源を統合的に管理する方法を検討します。プロジェクトの第1年次においてスーダンの水資源と水需要の分布を評価し、これを適切に配分・管理する方法を検討し提案します。次いで第2年次では、水問題が深刻な地域を選び統合水資源管理を実践します。第3年次は実践から学んだ教訓を生かして統合水資源管理の枠組みを提案します。

プロジェクトのチャレンジ

2016年8月にJICAプロジェクトチームとスーダン水資源・灌漑・電力省の代表が会議を行い、今後3年間続くプロジェクトの内容に関して協議を行いました。会議の中で日本側はカウンターパートの主体的な活動に対する期待を表明しました。その一例として、下図に示すJICAプロジェクトチームとカウンターパートチームの活動イメージをスーダン側に示し理解を得ました。この図が意味するのは、本プロジェクトの活動の中心は日本人専門家チームではなくスーダン側カウンターパートであるとの期待です。図の右側に示すように、協働体制を確立、維持することが本プロジェクトの持続性に貢献します。これを実現するために本プロジェクトでは日本人専門家11名と専従カウンターパート12名が協同で活動する計画です。

【画像】図 活動体制のイメージ