地方の現地踏査

2016年8月29日

日本人専門家は8月25日〜8月29日の期間にスーダンの東部地域のカッサラ市を踏査しました。ここは降雨量約300mm/年の地域であり、乾季と雨季が明瞭に分かれています。雨季にはGash川が豊富な河川水を当地に運び込み、伝統的な洪水灌漑が行われてきました。しかし乾季になると、Gash川は完全に枯れ上がってしまいます。そこで近年においてはGash川に沿って多数の井戸が掘られ、乾季においても安定した水利用を実現してきました。しかし、最近になって地下水位が急速に低下を始めため水不足が深刻化してきました。このプロジェクトでは、例えばカッサラ市のような深刻な水問題を抱える地区をスーダン全土から数か所選定し、それぞれの水問題を解決するための統合水資源管理の手法を提案して現地において実践します。この活動を通じて実践的な水資源管理の手法を学び、教訓を得ます。本プロジェクトは統合水資源管理の実践という従来のJICAプロジェクトには無い、新たな試みを行うところに大きな意義があります。

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この写真は2016年8月調査時のGash川の様子を撮影したものです。ワジ(涸川)と言うものの雨季に激しい濁流となりますが乾季に涸れてしまいます。

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カッサラには2,000本の井戸があると言われています。その大部分は農業用の井戸です。写真は農業用井戸の例です。農業用井戸の過剰揚水が指摘されており、カッサラ市全体で地下水位が低下していると推定されます。

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豊富な農業用の井戸は果物や野菜の栽培に使われています。この写真はカッサラの果物・野菜市場の様子で、カッサラはスーダンを代表する果物と野菜の産地となっています。

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首都ハルツームからカッサラに向かう途中の草原です。スーダンは砂漠の国とのイメージがありますが、雨季には見渡す限りの草原が出現し、とても印象的です。