プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)稲作振興能力強化プロジェクト
(英)Capacity Building Project for Promotion of Rice Production

対象国名

スーダン

署名日(実施合意)

2017年7月9日

プロジェクトサイト

ハルツーム、ゲジラ州(注1)

(注1)ゲジラ州は、スーダン政府が稲作を振興していく中核拠点(Center of Excellence:CoE)として、近隣5州(センナ-ル州、ゲダレフ州、白ナイル州、リバーナイル州、北部州)における普及員・種子生産農家の技術的能力向上の役割を担うことが期待されている。

なお、事業進捗状況を踏まえプロジェクトサイト/対象地域に白ナイル州、リバーナイル州を含めることも今後検討する。

協力期間

2018年1月16日から2023年1月15日

相手国機関名

連邦農業省(生産局国家稲作プロジェクト、技術移転普及局種子管理部):種子検査及びプロジェクト全体の調整・管理。

ARC本部:種子生産。

Center of Excellence(CoE)としてのゲジラ州農業省:保証種子生産の維持管理及び近隣5州に対する技術的能力向上の拠点。

背景

(1)当該国における農業セクターの現状と課題

スーダン共和国(以下、「スーダン」)では、全労働人口の約65%が農業に従事し、GDPの約30%を農業セクターが占める(2016年、世銀)など、スーダン経済において農業は重要なセクターである。しかし、1955年以降の長期にわたる内戦により土地は荒廃し、インフラの整備がなされなかった結果、農業生産は長期にわたって停滞している。

スーダン政府は、小麦に次いでコメを戦略的に重要な作物と位置付け、コメ生産開発の推進を進めている。連邦農業省は現在策定中の「5か年計画」(2017年~2020年1)において、引き続きコメを戦略作物とする予定であり、また「国家稲作開発戦略」(2012年)では、2018年までにコメの作付面積の拡大及び単収向上2を通じてコメ生産量を30.2万トン/年に拡大する目標を掲げている。

一方、スーダンにおけるコメの年間消費量は1990年代の3.1万トン/年から2000年代には5.7万トン/年、2015年には8.4万トン/年に増加しているが、生産量は3.4万トン/年に留まるなど、不足している約5万トン/年を輸入に頼っている状況にあり(2016年、FAO)、稲作の振興は食料安全保障上、また経常収支改善において重要な課題として認識されている。

かかる状況下、JICAは技術協力プロジェクト「農業再活性化計画実施能力強化プロジェクト」(2010年~2016年)を実施し、スーダンにおける稲作適地及び潜在性の高い6州(ゲジラ州、白ナイル州、リバーナイル州、ノーザン州、ゲダレフ州、センナール州)において稲作栽培の基本技術を普及員に移転した。普及員への稲作技術移転の過程で稲作技術を習得した中核農家は、同プロジェクト終了後も稲作を継続的に実施している。

コメの生産を増加させるためには、一般農家が普及員から稲作技術指導を受けると共に、安定的に良質のイネ種子を入手できることが不可欠であるが、スーダンのイネ種子生産・増殖技術及び供給システムは不十分な状況である。このため、イネ種子生産・増殖フローを確立し、一般農家の種子へのアクセスを向上することがコメの増産と、それに伴うスーダンの経済・社会の安定性向上に重要である。

(2)当該国における農業セクターの開発政策と本事業の位置づけ

スーダン政府は連邦農業灌漑省(以下、「連邦農業省」)を含む8省にまたがる省庁横断プログラムとして、「農業再活性化計画」(2008年~2011年)を策定し、食料の安全保障、農業生産性向上、貧困削減と所得の向上を目指してきた。また、連邦農業省は現在策定中の「5か年計画」(2017年~2020年)において、引き続きコメを戦略作物とする予定である。

本事業はコメ生産の推進に係る政策実施のため、関係機関の組織的・技術的能力を強化することを目指しており、上記計画の実現を支援するものと位置付けられる。

(3)農業セクターに対する我が国及びJICAの援助方針と実績

我が国の対スーダン共和国国別援助方針(2012年12月)においては、援助重点分野の一つとして「農業開発」を掲げており、スーダンの貧困削減及び食料安全保障に寄与する農業分野の開発を支援することとしている。

JICAはこれまでスーダンの農業セクターにおいて、技術協力プロジェクト「農業再活性化計画実施能力強化プロジェクト」(2010年~2016年)に加えて、無償資金協力「食料生産基盤整備計画」(2012年~2017年)を実施し、また現在「リバーナイル州灌漑スキーム管理能力強化プロジェクト」(2015年~2019年)を実施中である。さらに地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)「ストライガ防除による食糧安全保障と貧困克服」(2017年~2022年)を実施予定である。

(4)他の援助機関の対応

国際連合食糧農業機関(FAO)はソルガムの種子生産支援、農業センサス支援、食料安全保障情報システムのための技術協力プログラムを実施中であり、今後、稲作支援も再開予定である。また、国際稲研究所(IRRI)は2017年にスーダン農業研究機構(ARC)との連携協定を更新し、品種開発・選定に係る技術支援を実施予定である。国際農業開発基金(IFAD)は、種子分野にかかる技術支援「Seed Development Program」(2011年~2018年)を実施中であり、連邦農業省の種子管理部に対して、施設改修、種子検査機材の供与、並びに海外研修の機会を提供している。なお、本事業との重複はない。

JICAが現在実施中の事業や本事業の成果を積極的に対外発信し、IRRIやIFAD等と成果を共有することで、本事業の成果の適用拡大が期待される。

目標

上位目標

6州(ゲジラ州、センナール州、ゲダレフ州、白ナイル州、リバーナイル州、北部州)において稲作が推進される。

プロジェクト目標

連邦農業省、農業研究機構(ARC本部)、CoEゲジラの稲作推進の実施にかかる組織的・技術的能力が向上する。

成果

1.稲作推進にかかる連邦レベル関係機関の調整システムが確立する。
2.ARCにて、原原種種子、原種種子が生産される。
3.CoEゲジラにて、一般農家向けの保証種子供給システムが確立する。
4.ゲジラ州での国産米の試験販売を通じ、コメのマーケティングの課題が明らかになる。
5.5州(センナール州、ゲダレフ州、白ナイル州、リバーナイル州、北部州)にて、保証種子の生産が開始される。(注2)
(注2)上位目標達成に向けた成果

投入

日本側投入

【専門家】総計100MM

チーフアドバイザー/稲作振興プログラム
種子生産・増殖
陸稲栽培
業務調整/モニタリング評価
圃場整備監理
種子検査
収穫後処理技術・運営管理
マーケティング・収益性分析

【機材供与】

灌漑用ポンプ、車両、ジェネレーター、種子検査関連機材、他

【施設整備】

ARC本部の原原種・原種圃場整備

【研修員受入】

本邦・第3国研修

相手国側投入

カウンターパートスタッフ

- プロジェクト・ディレクター(連邦農業省国際協力局長)
- プロジェクト・マネージャー(連邦農業省国家コメプロジェクト調整官)
- プロジェクト・副マネージャー(ARC本部国家コメ研究調整官)

プロジェクト事務所用スペース・家具(執務室)

プロジェクト実施に必要な諸経費(光熱費、修繕費、施設維持管理費等)

プロジェクトのローカルコスト