シリア国は、国土の大半が砂漠台地であり、降水量と水資源が乏しい。また、都市部では人口急増によって生活・工業・農業用水が不足している。下水道整備は端緒についたばかりで、下水処理場は4大都市(ダマスカス、アレッポ、ホムス、ハマ)のみに存在し、その他の地域では、地下水道すらない部分もある。また、下水管の施工不良による漏水が上水道へ混入する事態も見られる。シリア国内では、住宅・建設省が下水道整備基本計画策定、広域下水道ネッワーク整備、及び下水処理場の整備を、各地域の下水道公社が下水道の維持管理を担っているが、これらの組織的かつ技術的な未熟さから上述の問題は解決されていない。この状況に鑑み、日本は、20…