プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)節水灌漑農業普及計画プロジェクト フェーズ2

対象国名

シリア

署名日(実施合意)

2008年10月15日

プロジェクトサイト

ダマスカス郊外県、ダラ県、ハマ県、アレッポ県及びラッカ県

実施期間

2008年12月15日から2012年7月15日

相手国機関名

(和)農業農地改革省

背景

シリア政府は伝統的水消費型の灌漑農業から近代型の節水灌漑農業へ転換を目指し、節水灌漑農業普及計画フェーズ1プロジェクトを日本政府へ要請した。同プロジェクトは2005年3月より3年間の期間で開始され現在最終年次に入っている。

フェーズ1においては「灌漑技術」「研修」「普及」に焦点をあてた活動が実施された。特に農家の現場において、機器が導入されているにも関わらず十分に維持管理できず節水に結びついていないこと、また普及員が農家へ適切に指導できる体制が整っていないなどの課題が明らかにされ、3県に設置されたデモ圃場を通じて対応策が把握された。また研修に係る取組としては灌漑普及員と灌漑専門技術員を対象とした活動を行い、結果、各自の担当する農家で適切な灌漑技術を指導できる普及員が50名以上育成された。また、普及を円滑かつ効果的に実施するための技術・方法が開発され現場での適用可能性が検討された。

シリア第10次5ヵ年計画(2006年制定)では節水灌漑農業普及の必要性と重要性が強く謳われており、農民へのローン貸付制度を所管する灌漑近代化推進局の設立などシリア独自の取組が進められつつある。本案件は技術普及と農民の意識啓発という面からシリアの取組を強化するものである。フェーズ1の目標とするプロジェクトサイトでの適切な灌漑水利用は概ね達成する見込みだが、節水灌漑の定着をさらに図る必要がある。

目標

上位目標:

効率的な節水灌漑の普及によりシリア全域における持続可能な灌漑水利用が達成される。

プロジェクト目標:

プロジェクト地域において、近代的節水灌漑推進能力が向上された関係組織・スタッフの支援により、各農作物に対して適切な量の灌漑用水が使用されるようになる。

成果

  1. フェーズ1プロジェクト地域において、小規模圧力式器具利用灌漑方法(ドリップ、スプリンクラー等灌漑方法)の適正な活用がさらに普及する。現案件で育成されたカウンターパートが中心となり活動が展開されるものとする(=垂直展開)。
  2. フェーズ1以外のプロジェクト地域内において、小規模圧力式器具利用灌漑方法(ドリップ、スプリンクラー等灌漑方法)の適正な活用が広められる。これは日本人専門家の指導の下に、カウンターパートが主体的に取り組むものとする(=水平展開)。
  3. プロジェクト地域において、近代的節水向上地表灌漑方法が確立され、普及されて節水効果が現れるようになる。
  4. 近代的節水灌漑手法およびその普及方法に関して、国際研究機関と連携してその改善と運用にあたり、シリア国内および近隣国への波及が進むようになる。

活動

1-1.
近代的節水灌漑の推進に関する関連機関間連携の維持(協議会の結成・運営支援)
1-2.
活動の維持、および地域内の他デモサイトの展開
1-3.
研修プログラムの継続的実行
1-4.
ToT(Training of Trainers)体制の整備・活動に関する支援
1-5.
体系的普及活動の構築、実行
1-6.
普及体制・組織の整備
1-7.
デモサイトを中心にした参加型普及の実施
2-1.
近代的節水灌漑の推進に関する関連機関間連携体制の構築
2-2.
地域内の他デモサイトの新規展開
2-3.
研修プログラム実施システムの構築および研修の実行
2-4.
普及活動システムの構築、運用
3-1.
現状の地表灌漑方法の問題点レビュー
3-2.
モニタリングサイトの決定、活動開始
3-3.
近代的地表灌漑技術の開発、および施肥の合理化など関連技術の開発
3-4.
研修体制の構築
3-5.
研修プログラム実施システムの構築および研修の実行
3-6.
普及ツールの整備
3-7.
普及活動システムの構築、運用
4-1.
連携内容の検討、連携規約の締結
4-2.
共同ワークショップの開催
4-3.
他地域からの研修員の受入
4-4.
国際会議への共同参加

投入

日本側投入:

  • 専門家派遣(灌漑利水、農業普及/研修、営農/栽培、灌漑システム/維持管理、参加型普及)
  • 機材(研修・普及活動に必要な機材、モデル圃場運営および研究活動に必要な機材)
  • 研修(日本研修、第三国研修、国内研修)
  • 参考資料等

相手国側投入:

  • カウンターパートの配置
  • オフィスの確保
  • ローカルコスト(運営費等)
  • 車両(フェーズ1で日本側より供与された車両)および燃料
  • その他機材(電話や事務所用施設等)