プロジェクト対象病院に医療機材を供与し、維持管理研修を実施しました。

2018年12月14日

2018年10月から11月にかけて、ハトロン州のプロジェクト対象6郡・市中央病院(ヌーレク、バルジュボン、ホバリング、ムミノバード、クショニヨン、レバカンド)に、母子保健ケアにかかる医療機材の供与がおこなわれました。

今回供与された機材は、保育器、インファントウォーマー、光線治療器、酸素濃縮器、パルスオキシメーター、胎児心音計、血圧計などの新生児および母親のケアに必要な基礎機材です。2017年10月から2018年2月にかけておこなわれたベースライン調査を元に、郡・市中央病院で提供すべきサービスに不可欠な機材が選定されました。本プロジェクトでは選定された機材をニーズや調達事情を考慮して2回に分けて調達を行うことになっており、今回はその第1回調達として特に迅速な調達が必要であると判断された機材が供与されました。

機材の数量、規格、パーツや消耗品等が要求仕様に合っているかなどの確認がおこなわれたあと、各機材は定位置に据え付けられ、動作確認ならびに病院スタッフへの初期操作指導がおこなわれました。

ヌーレク市中央病院では、機材据付の当日未明に在胎32週、1,000グラムの早産で誕生した新生児が早速供与された保育器の中で処置を受けました。新生児はその後無事に退院したとの報告を受けています。

また、プロジェクトでは、今回供与した機材のうち、特に使用に注意を要する機材について標準作業手順書(SOP)を作成して各病院に配布し、その後機材の維持管理研修を実施しました。SOPは1.臨床的側面からの使用方法、2.調達モデルに対する基本の取り扱い説明、3.日常点検方法、4.トラブル発生時の連絡フローチャートから構成されており、いつでも参照できるように機材の側に配置されています。タジキスタンでは医療機材の保守管理のための専任技術者がまだまだ不足しており、プロジェクトの対象病院には配置されているところはありません。そのような状況でプロジェクトは、医療機材を適切に長期間にわたって使用するための第一歩として、SOPの内容説明・日常点検の方法・機材の使用記録方法などを学ぶ研修を行いました。研修では、現在のプロジェクトの前に実施していたプロジェクトの対象病院であったジョミ郡中央病院の医師と助産師に講師となってもらい、各病院に出向いて指導してもらいました。

母子保健ケアに必要な機材の一部が入ったことで、これまで機材がないため上位の病院に搬送せざるをえなかったケースを、郡・市中央病院で迅速・適切にケアできるようになることにより、地域の母子保健ケアサービスの向上、ひいては母子保健指標の改善への貢献が期待されます。

【画像】

機材の動作確認、初期操作指導の様子 レバカンド市中央病院にて

【画像】

SOPを参照しながら機材の操作方法の確認をする様子(維持管理研修)ホバリング郡中央病院にて

【画像】

機材管理用書類の記録方法を学ぶ様子(維持管理研修)ムミノバード郡中央病院にて