プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)HIV/エイズサービスのための保健システム強化プロジェクト
(英)Health Systems Strengthening for HIV and AIDS Services Project

対象国名

タンザニア

署名日(実施合意)

2010年7月22日

プロジェクトサイト

中央およびモデル2州(ドドマ州、プワニ州)

協力期間

2010年10月26日から2014年10月25日

相手国機関名

(和)保健福祉省 国家エイズ対策プログラム
(英)National AIDS Control Program, Ministry of Health and Social Welfare

背景

タンザニア国のエイズ問題は深刻であり、UNAIDSの2005年の報告では15歳以上人口の6.5%がHIV陽性と推定されており、国の社会経済発展における最大の問題のひとつとなっている。

タンザニア国では保健セクター改革及び地方自治改革が並行して推進されており、県への保健行政上の権限委譲が進められているが、ドナー支援はエイズ対策支援として縦割りに行われている場合が多く、中央政府がより強く州・県を指導・支援し関係機関と調整することが必要となっている。しかし、保健福祉省国家エイズ対策プログラム(以下「NACP」)はマネジメントや情報管理の面で課題を抱えており、NACP・州・県の機能分担改善による業務の効率化、外部支援への対応能力強化等が喫緊の課題となっている。

これらの強化を図るためにNACPとJICAは「HIV/エイズサービスのための保健システム強化プロジェクト(以下「本プロジェクト」)」を2010年10月から2014年10月までの予定で立ち上げた。本プロジェクトは、先行案件(2006年3月から2010年7月まで実施された「HIV感染予防のための組織強化プロジェクト」)の成果を踏まえつつ、主としてHIV/エイズ保健サービス全般に関わる保健医療統計システム(以下「M&Eシステム」)、及び包括的サポーティブスーパービジョン及びメンタリング(以下「CSS&M」)の体制整備を中心とした保健システム強化を目指した。本プロジェクトは、NACPをカウンターパート(以下「C/P」)機関とし、モデル州(プワニ州・ドドマ州)における取り組み・効果の検証を経て、中央レベルにて全国展開に向けたアプローチとして確立することを目的とした。

なお、本プロジェクトは我が国の対タンザニア「保健行政システム強化プログラム」に位置づけられ、同プログラム内の他の技術協力プロジェクト(保健人材開発強化および州保健行政システム強化)と調整・連携しながらタンザニアの保健行政システム強化を目指した。

目標

上位目標

HIV/エイズサービスのための包括的な巡回指導とメンタリング及び効果的なM&Eシステムを通して、保健システム全体が強化される

プロジェクト目標

HIV/エイズサービスのための包括的な巡回指導とメンタリング及び効果的なM&Eシステムが開発され、モデル州での取り組みが全国展開に向けて示される

成果

1.HIVエイズ必須指標がNACPにより選定・承認され、NACP主導のもとNACPのM&Eシステムに統合される
2.モデル州のM&Eシステムが強化される
3.HIVエイズサービスのためのCSS&MがNACPで強化される
4.HIVエイズサービスのためのCSS&Mがモデル州で強化される
5.プロジェクトが開発したM&EシステムとCSS&Mが相乗的に連動する

活動

0-1 ベースライン、中間評価、終了時評価のデータを収集する
0-2 プロジェクト合同調整委員会(JCC)を実施する
0-3 意識改革及びリーダーシップに係る研修を実施する
0-4 国際会議へ参加する

1-0 モデル州・県及び保健社会福祉省/NACP等関係者がM&Eシステムに係る活動計画を策定する
1-1 保健社会福祉省/NACPがHIVエイズ必須指標を選定する
1-2 保健社会福祉省/NACPがHIVエイズ必須指標を州・県保健局へ導入する

2-1 州・県のデータ分析に係るIT状況調査を実施する
2-2 IT状況調査に基づくデータ分析に必要なIT機器を購入及び設置する
2-3 州・県保健局の保健統計担当者等がHIVエイズスコアカード指標データを収集・集積する
2-4 州・県保健局の保健統計担当者等がデータ分析及び解釈・解説に係る知識・技能を習得する
2-5 州・県保健局がデータ還元システムを構築及び運用する
2-6 州・県保健局が保健サービスのためのデータ利活用を促進する

3-1 HIVエイズサービスのためのCSS&Mの研修パッケージを開発し製本する
3-2 HIVエイズサービスのためのCSS&M研修の講師養成研修を実施する
3-3 保健社会福祉省等の職員を対象に、HIVエイズサービスのためのCSS&Mの研修を実施する
3-4 NACPのCSS&Mを包括的に実施するための半年間計画を策定する
3-5 NACPの州へのCSS&Mの実践を促進する
3-6 CSS&Mの相乗効果を生み出す会議を開催する
3-7 NACPの州へのCSS&Mの経験や教訓を共有するための関係者会議を開催する
3-8 HIVエイズサービスのためのCSS&Mのマニュアルとツールを見直し、製本する

4-1 州・県保健局を対象に、HIVエイズサービスのためのCSS&Mに関するオリエンテーションを実施する
4-2 州・県保健局等を対象に、HIVエイズサービスのためのCSS&Mの研修を実施する
4-3 すべてのHIVエイズサービスをカバーする巡回指導の実践を促進する
4-4 州・県においてCSS&Mの相乗効果を生み出す会議を開催する
4-5 CSS&Mの経験や教訓を共有するための関係者会議を開催する
4-6 HIV/エイズのCSS&Mを州および県の年間保健計画に組み込む

5-1 データ還元を活用した巡回指導を実施する
5-2 州・県保健局の経験と良好事例をモデル州で共有する
5-3 CSS&M向上のためのスタディツアーを実施する

投入

日本側投入

4年間 約3.9億円
 ・長期専門家3名(チーフアドバイザー、疫学、調整業務/研修計画
 ・機材供与(オフィスコンピュータ、コンピュータソフト、その他オフィス機器)
 ・在外事業強化費(研修経費、研修教材開発費、印刷経費、ローカルコンサルタント委託経費等)

相手国側投入

・カウンターパート、専門家執務室、ローカルコスト