(和)税務研修能力強化プロジェクト
(英)Project for the Enhancement of Taxation Training
タンザニア
2011年10月11日
ダルエスサラーム市
2012年2月10日〜2015年3月27日
(和)タンザニア国歳入庁 税務研修センター
(英)Institute of Tax Administration, Tanzania Revenue Authority
タンザニア共和国(以下「タンザニア」)政府は、第二次成長・貧困削減戦略(MKUKUTA II)におけるマクロ経済戦略の一環として、経済成長の促進、税基盤の拡大を含む税制改革や税務行政の効率化を図ることを通じ、中長期的な国内歳入の強化を政策目標として掲げている。その結果、近年タンザニア政府の歳入は順調に増加しており、2006年度に比べて2010年度は倍増している。しかしながら、現状は歳入の約3割を外国からの援助に依存しており、またGDPに占める国内歳入(うち9割強が税収)の割合は17%以下と低い水準であることから、税務行政の強化および歳入増加は緊急性の高い重要な課題となっているが、特にタンザニア歳入庁(TRA)職員および関係者の能力強化は、上記課題の実現のための重要な柱の一つと認識されている。
TRA職員などの継続的な能力・知識向上のためには、主にTRA直属の研修所としてTRA職員を対象に研修を実施する税務研修センター(ITA)の役割がますます重要になっている。現在ITAでは年間2,000名程度のTRA職員及び民間・学生の研修員を対象に、税務等にかかる40以上の研修コースを実施しているが(いずれも2010/11年度実績)、タンザニアの現状・ニーズに合致した教材が必ずしも整備されていない、キャリアに応じた研修カリキュラムが存在しないなどの課題を抱えており、人材育成の強化に向けた見直しが必要となっている。さらに、TRA/ITAとしては、民間セクターを対象とした研修プログラムを大幅に拡充し、税務行政への理解を深めたいとの意向を有している。
このような背景のもと、タンザニア政府は我が国に対して、ITAの研修実施能力の強化を目的とした本件「税務行政能力強化プロジェクト」を要請した。
TRA職員の税務行政能力が強化される。
ITAによって提供される研修事業が改善される。
1. 研修事業の計画・準備プロセスが体系化される。
2. ITA講師の研修実施能力が強化される。
3. ITAの評価手順が強化される。
1-1. 税務行政改善およびTRA職員の能力強化に関するニーズ調査の実施
1-2. 新規作成/改訂が必要な研修事業の特定
1-3. 特定された研修事業のカリキュラムの作成/改訂
1-4. 科目パネルによる研修教材の作成/改訂および標準化への支援
2-1. 特定された研修事業に必要な知識・スキルおよび指導法を習得するための研修/セミナーの実施(ITA講師対象)
2-2. ITA講師によって習得された知識・スキルおよび指導法の共有・蓄積
2-3. ITA講師によって実施される税務行政研修の支援(特定された研修事業のみ)
3-1. ITAで遂行される評価手順のレビュー
3-2. 評価手法の確立・改善
3-3. ITAの研修受講者および(受講者の)所属組織/部署による研修評価の実施(特定された研修事業対象)
3-4. 評価結果の分析
3-5. 各科目パネルに向けた評価分析結果の提供
・専門家派遣:以下分野にかかる専門家投入
・業務主任
・副業務主任/納税者サービス
・税務調査(段階研修/人事制度)
・税務調査(国際課税)
・税務調査(電子会計システム)
・人材育成計画/業務調整
・本邦および/または第三国研修:年間10名程度
・機材供与:プロジェクト活動に必要な資機材の供与
・現地活動経費
・カウンターパート配置(ITA担当講師等)
・プロジェクト事務所:プロジェクト実施に必要なJICA専門家執務室、施設設備など
・運営・経常経費:研修やワークショップにかかる経費、電気・水道などの運用費など