No.5:ホムボザ村の住民グループ「HOMBOSAMA」の活躍

2015年9月4日

今回は、プロジェクトニュースの前号にてとりあげたコンドア県でのコミュニティ・ファシリテータ研修でトレーナー(ファシリテータ)として活躍した「HOMBOSAMA」(ホムボサマ)の活躍をご紹介します。グループの正式名称はHomboza Sanaa kwa Maendeleo。「ホムボザ 開発のための芸術」という意味のスワヒリ語です。通称「HOMBOSAMA」)。プワニ州キサラウェ県ホムボザ村で活動するドラマ・ファシリテーションの住民組織です。

成り立ち

HOMBOSAMAは、当プロジェクトの前フェーズの対象村、ホムボサ村にもともと存在した若者たちのインフォーマルなグループでした。HOMBOSAMAの前身にあたるHomboza Youth Groupは、Kisarawe Youth Development Network(KIYODEN)と呼ばれるキサラウェ県全域で展開された開発プログラムの意思を受け継ぐかたちで、若者有志が集まり活動を自発的に続けていました。前フェーズでは、若者たちの自発的な活動を後押しし、村の開発のために役立てるため、彼らをコミュニティ・ファシリテータ研修のトレーナーとして育成しました。2014年5月と8月には、プロジェクト対象村9村において、コミュニティ・ファシリテータ研修を実施。同年7月には、プロジェクトの支援を得ながら住民組織としての正式登録を果たしました。

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コミュニティ・ファシリテータ研修のトレーナーとしてドラマ・ファシリテーションを指導するHOMBOSAMAのメンバー(2014年8月、モロゴロ州ウランガ県リベナンガ村)。

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コミュニティ・ファシリテータ研修で観客の心をつかむパフォーマンスのお手本を披露するメンバーたち(2014年8月、プワニ州バガモヨ県チャマクウェザ村)。

地元での活動

HOMBOSAMAのメンバーの多くが大工などの職人さんとして生計を立てており、その傍らでドラマ・ファシリテーションの活動を精力的に行っています。例えば、2014年11月には、その年、村の中で一番問題視されていた「保健」の問題をテーマに、自らオリジナルのドラマを作成し、村の集会で披露しました。また、地域で活動する国際NGOの依頼を受け、「子どもの権利」をテーマに、近隣の5村を巡回してドラマ・ファシリテーションを行うなど、活動範囲を広げています。メンバーのなかには、自分の集落のコミュニティ・ファシリテータとして活動している人もいます。

コンドア県コミュニティ・ファシリテータ研修での活躍

今年の6月から7月にかけて当プロジェクトの依頼を受け実施したコンドア県での研修は、彼らにとって2回目のO&ODコミュニティ・ファシリテータ研修となりました。ドラマ・ファシリテーションのプロセスのなかでも、村人たちとの実際の対話を通じて問題発見をし、シナリオを組み立てていくことの大切さを強調するため、研修の内容を大きく改良してのぞみました。研修のトレーナーとしても、コミュニティ・ファシリテータの先輩としても一回り成長したHOMBOSAMAのメンバーたち。彼らの今後のさらなる成長が期待できそうです。

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研修受講者であるコミュニティ・ファシリテータたちに演技のアドバイスをするHOMBOSAMAのメンバー(ドドマ州コンドア県ムネニア村)。

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研修受講者であるコミュニティ・ファシリテータたちに演技のアドバイスをするHOMBOSAMAのメンバーたち(ドドマ州コンドア県ムクルムジ村)。