草の根無償がチェンライ・クンターン病院の在宅医療体制向上の支援を決定

2015年11月20日

チェンライサイトでLTOPのモデルサービス提供の中心的な役割を担っているクンターン病院。同病院が日本政府に申請していた「チェンライ県クンターン郡住民のための在宅医療体制向上計画」の支援が今年10月に決定しました。10月19日、在チェンマイ日本国総領事館にて、青木伸也総領事とクンターン病院長のコンサック・チャイチャナ氏との間で署名式が行われました。草の根・人間の安全保障無償資金協力により3,522,000バーツ(約1,200万円)が支援されます。

同病院はクンターン郡で唯一の公立病院で、3地区55村の31,900人の住民に対し、医療サービスを提供しています。近年、同郡では、高齢化の進行とともに、寝たきりの患者や慢性呼吸器疾患患者など、家族による介護が必要な高齢の患者が増えています。そこで同病院はLTOPに参加し、要援護高齢者等やその家族介護者を地域全体で支えるためにモデルサービスを実施しています。

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クンターン病院

クンターン病院は、在宅での医療サービスを提供するために、郡内の健康増進病院と連携し、定期的な訪問診療を行ってきました。しかし訪問診療専用の車両がなく、計画全体の4割程度の診療しか実施できていないのが現状です。在宅での酸素吸入が必要な患者には、酸素ボンベを貸し出していますが、経済的な理由から、酸素の補給費用が負担できず、病状を悪化させてしまうケースが生じています。また寝たきりの患者には、床ずれ防止用エアーマットを貸与していますが、数量不足で貸与を受けられず、深刻な床ずれを起こし治療が必要になっています。

このような状況からより良い医療サービス提供を目指し、日本政府に支援の申請を行った結果、訪問診療用の救急車1台、酸素発生器、床ずれ防止用エアーマット及び電動車椅子5台が提供されることとなりました。この日本政府の支援により、クンターン郡における要援護高齢者等及びその家族に対する在宅医療体制の向上が期待されています。

LTOPチームでは今回の申請に関し、チェンライサイトへの草の根・人間の安全保障無償資金協力事業の紹介、申請の推奨及びチェンマイ総領事館のヒアリングへ参加し、後方支援を続けてきました。

今回の支援決定の結果は、クンターン病院の高齢者介護に関する今までの熱心な取り組みによるものです。
この結果は、後方支援をしてきたLTOPにとっても大変嬉しいニュースとなっています。

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在チェンマイ総領事館における署名式の写真(青木伸也総領事、右から4人目)