モデルサービスについてのワークショップを開催しました。

2016年3月2日

2月1日から3日まで、ノンタブリ県のMidaホテルにおいて、LTOPプロジェクトによる「モデルサービスについてのワークショップ」が開催されました。

今回のワークショップは、本邦研修でケアマネジメントの基礎を学び、モデルサービスの中心的な役割を担うケアマネジャーを主な対象としました。その他、保健省関係者、社会開発人間の安全保障省関係者、実際に高齢者に介護を提供するケアワーカー及びケアボランティア、そして、ケアワーカー研修参加予定者等がワークショップに参加しました。

モデルサービスが正式に開始され、約1年10ヶ月が経過しました。各プロジェクトサイトにおいて、モデルサービスが提供されておりますが、その中で、色々な問題点、課題点等が出てきています。今回のワークショップは、以下の項目について、LTOP関係者全体でモニタリングを行い、必要があれば、改定等を実施するという目的で開催しました。

1.LTOPケアプラン様式
2.ケアマネジャー、ケアワーカー及びケアボランティアの役割
3.モデルサービスの内容
4.オペレーションマニュアルの内容

今回のワークショップの主な進め方については、グループディスカッション及びその発表。
グループディスカッションにおいては、日頃遠く離れ活動する他のプロジェクトサイトのメンバーとお互いの悩みや課題を話し合う良い機会となりました。併せて、自身が提供してきたケア及びサイトにおいて提供されるモデルサービスに対するモニタリングを行うことが出来、さらには、LTOPモデルサービスの向上に繋がる成果が出ました。

そして、当該ワークショップの結果、上記項目に関して、以下の成果が出ました。

1.LTOPケアプラン様式が改訂され、ADL状況の記載欄、目標達成度の記載欄、高齢者情報の記載欄が追加された。
2.現時点における各職種の役割が明確化された。(概要は下表のとおり)

職種名 研修 業務
ケアマネジャー ケアマネジャー研修(LTOP又は保健省) ケアマネジメント
(例:アセスメント、ケアプラン作成等)
ケアワーカー 高齢者介護に関する研修(70時間以上) 高齢者への介護の提供
(身体介護を含む。)
ケアボランティア 高齢者介護に関する研修(70時間未満)又は研修を受講していない者等 高齢者への生活支援の提供
(例:バイタルチェック、話し相手等)

3.現時点における最低限必要なサービスが定義された。従来からプロジェクトサイトにおいて提供されてきたモデルサービスに新たに9項目(例:栄養状況の確認、口腔内の健康状況の確認等)が追加された。その中には、湿布を使った療法もあり、タイ特有の視点からサービスが追加されている。
4.現時点におけるオペレーションマニュアルに記載すべき介護の項目の定義付けがされた。

なお、今回の改訂及び定義については、最終的なものではなく、今後も継続的なモニタリング及び改訂のワークショップを適宜実施していきます。

振り返れば、2014年5月のLTOPモデルサービスの開始以来、プロジェクトサイトにおけるモデルサービス提供は、各サイトの有する人材、資源等を活用し、実施されてきました。限られた資源の中で、より良いサービスを提供するため、試行錯誤してきたところです。今回それらの活動について、ワークショップを通し、整理し、まとめることが出来ました。今回得られた成果を今後のモデルサービスの改善、さらには政策提言に向けて、有効に活用し、サイトにおける介護提供を支える仕組みを目指し、取り組んでいければと思っています。

【画像】集合写真

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グループディスカッション

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専門家による講義