プロジェクト概要

プロジェクト概要説明資料

プロジェクト名

(和)要援護高齢者等のための介護サービス開発プロジェクト
(英)Project on Long-term care service development for the frail elderly and other vulnerable people

対象国名

タイ

署名日(実施合意)

2013年1月14日

プロジェクトサイト

「モデルサービス」の開発、政策提言の作成等は主にバンコクで実施される。「モデルサービス」、介護従事者の養成はパイロットプロジェクトサイトで実施されるが、対象地域として都市部および農村部から4から6自治体が選定される。

協力期間

2013年1月14日から2017年8月31日

相手国機関名

(和)保健省、社会開発・人間の安全保障省
(英)Ministry of Public Health, Ministry of Social Development and Human Society

日本側協力機関名

厚生労働省

背景

タイ王国(以下、タイ)の総人口は約6,912万人で、うち65歳以上の高齢者は約614万人と人口の8.9%を占めており、東南アジア地域の開発途上国の中では最も高齢化が進んでいる状況にある(2010年)。さらに、タイは高齢化のスピードが速いことも特徴である。タイでは2001年に高齢者が7%以上を占める「高齢化社会」に突入したが、23年後(2024年)には同割合が14%以上となる「高齢社会」となると推計されており、このスピードは日本の24年をも凌ぐものである。
このような状況に対し、タイの各省庁でも様々な取り組みを始めている。これまでの主な取り組みとしては、保健省(以下、MOPH)によるデイケアのモデル実施、医療機関によるリハビリテーション活動等、社会開発・人間安全保障省(以下、MSDHS)による高齢者ボランティアの養成、高齢者福祉開発センターの設置等が挙げられる。また、国家経済社会開発庁もバンコクにある大学の附属病院とともに高齢者介護のモデル事業を実施したところである。財務省もより広い観点から高齢化の財政的インパクトに関する調査を行っている。
タイにおいて介護は基本的に家族によって行われているが、所帯状況の変化に伴う家族介護力の低下や今後の要介護高齢者の更なる増加により、日本のように家族の介護疲れが社会問題化することも懸念される。家族やボランティアによる介護は統一的なアセスメントに基づいた体系的なものではなく、介護レベルも十分とは言い難い。ここに要介護高齢者のニーズと実際に提供されている介護のギャップが存在しており、サービスの公平性等の観点から大きな課題となっている。
要介護高齢者は今後も増加することが明らかであり、家族やボランティアによる介護に依存するばかりではなく、制度として整った公的サービスとしての介護が求められつつある。すなわち、要介護高齢者の身体的・精神的状態及び社会的な状況を踏まえた適切なアセスメントに基づき、明確な到達目標を伴った介護が必要とされている。また、CTOPの成果であるコミュニティベースの統合型サービスを活かしつつ、CTOPが対応できなかった要介護高齢者を対象とし、財政的にも持続可能な介護制度を提案するものである。

目標

上位目標

高齢者介護に関する政策提言が国家政策に反映される。

プロジェクト目標

高齢者介護に関する政策提言が関係省庁に受理される。

成果

成果1:パイロット・プロジェクトによるエビデンスと日タイ両国の知見に基づいて、高齢者介護に関する政策提言が作成される。
成果2:パイロット・プロジェクト・サイトにおいて、「モデル・サービス」が開発され、効果的・持続的な形で実施される。
成果3:ケア・ワーカーとケア・コーディネーターの養成プログラムが開発される。

活動

1-0 「政策ディスカッショングループ」を組織する
1-1 タイにおける要介護高齢者対応に関して関連法案や計画のレビューを行う
1-2 タイの政策担当者、学識経験者が日本を訪問し、日本の介護に関する現状につき視察し、議論する
1-3 日本の政策担当者、学識経験者がタイを訪問し、介護につき議論する
1-4 タイの政策担当者、学識経験者を対象として財政面のインプリケーションを含め要介護高齢者への対応に関するセミナーを実施する
1-5 「政策ディスカッショングループ」のタイ側メンバーが政策提言の案を作成する
1-6 タイの要介護高齢者対応やプロジェクトの経験に関するASEAN向けセミナーを開催する

2-1 エビデンスを特定し、必要な情報を収集する
2-2 パイロット・プロジェクトサイトを選定する
2-3 各サイトでパイロット・プロジェクトの関係者特定、作業委員会立上げを行う
2-4 各サイトでベースラインサーベイを実施する
2-5 タイと日本における介護の現状につき研究する
2-6 「モデル・サービス」案、オペレーション・マニュアル案を作成する
2-7 各サイトで「モデル・サービス」案に関するワークショップを実施する
2-8 スタッフ向け研修を計画・準備する
2-9 各サイトでケア・ワーカーとケア・コーディネーターを雇用する
2-10 各サイトでモデル・サービス・センターを設置する
2-11 各サイトでケア・ワーカーとケア・コーディネーターの養成研修を行う
2-12 要介護高齢者を対象として「モデルサービス」を提供する
2-13 「モデル・サービス」の効果をモニタリングする(エビデンスの情報収集を行う)
2-14 「モデル・サービス」の実施をモニタリングし、オペレーション・マニュアルを改訂する
2-15 各パイロット・プロジェクトでの経験を基に「モデル・サービス」を確定する
2-16 エビデンスを基に「モデル・サービス」の効果を分析する
2-17 「モデル・サービス」に関する国内セミナーを実施する

3-1 ケア・マネジメント、専門的介護サービス研修を計画・準備する
3-2 ケア・マネジメント、専門的介護サービスに関する本邦研修を実施する
3-3 ケア・ワーカーを対象とする国内研修を計画・準備する
3-4 ケア・ワーカーを対象とする国内研修を実施する

投入

日本側投入

1)長期専門家:チーフアドバイザー、地域介護、業務調整
2)短期専門家:プロジェクトの効果的な実施のため、必要に応じ高齢者福祉行政、介護技術等の分野を含む短期専門家を派遣予定
3)本邦研修:
「高齢者福祉行政」10名程度×4回
「介護技術研修」15名程度×4回
4)セミナー実施費用(コストシェア)
5)(必要に応じ)パイロットプロジェクト活動に必要な機材

相手国側投入

1)カウンターパート人員の配置
プロジェクト・ディレクター(MOPH次官)
共同プロジェクト・ディレクター(MSDHS次官)
プロジェクト・マネージャー(MOPH次官補/局長レベル)
共同プロジェクト・マネージャー(MSDHS局長レベル)
カウンターパート(MOPH各室・局関係者、MSDHS各局関係者)
2)プロジェクト実施に必要な執務室および施設設備の提供、秘書、アシスタント
3)プロジェクト運営費用(セミナー実施費用(コストシェア)、研究謝金、国内研修費用、パイロットプロジェクト運営費用、
研修教材開発費用、国内研修実施費用など)
4)その他