マヒドン王子国際保健会議2018(PMAC2018)にてサイドイベントを企画・実施しました

2018年3月28日

2018年2月1日から3日にかけてマヒドン王子国際保健会議(注)2018(PMAC2018)が行われ、それに先立ち1月30日にPMAC会場のCentara Grand Hotelにて、JICA、保健省医科学局、プリンスソンクラン大学共催によるサイドイベント『ストップ結核のための革新的な介入と研究(Innovative Interventions and Researches for END TB Strategy)』が開催され、タイ国内外の結核研究者を中心におよそ150名の方々が出席されました。

同イベントには、当プロジェクト関係者の他に、結核予防会結核研究所元所長の森亨博士、WHOミャンマー事務所の小野崎郁史博士、ロンドン大学熱帯医学校のMartin Hebberd教授、中国、インドネシア、ミャンマーの保健省から結核研究の担当者等がゲストスピーカーとして参加されました。

同イベントは、午前と午後のセッションに分かれ、午前のセッションは『ストップ結核のための戦略』について、午後のセッションは『結核研究』についての発表およびパネル・ディスカッションが行われました。

前半のストップ結核のための戦略に関するパネルディスカションでは、TB研究の継続や多国間での研究協力体制の構築に関する議論がなされ、ジャーナル誌の発行、研究成果発表の場の確保、結核だけではなく貧困問題などにも同時にアプローチしていくことが必要であること、加えて研究を継続的に進めていくための国際的な研究資金の確保が大切であるとの意見が出されました。

後半のEND TB戦略のための研究に関するパネル・ディスカッションでは、主に社会実装についての議論がなされ、研究成果を社会で実用化していくためには段階的に取り組む必要があり、費用対効果の研究や臨床研究が重要であること、またそういった結果を示すことでガイドラインの改定等に繋がることや、研究デザイン作成の段階からその研究がどのように社会に役立つのかを十分考慮することが重要である等の意見が出されました。

今回のイベントでは、タイ国内外の結核研究関係者や結核研究を行う大学生を中心におよそ150名の方が出席され、プロジェクトの成果や今後の結核研究に関する考察等を共有する有意義な機会となりました。

引き続き、プロジェクトでは論文執筆や国際学会への参加を通してプロジェクト成果を発信していき、同時に社会実装についても関係機関との連携等を通じて進めていきたいと考えています。

(注)マヒドン王子国際保健会議とは、保健医療分野における重要課題の知見・経験を共有し、解決策を模索するために世界各国から同分野のリーダーや政策決定者が集結し、議論が行われます。2018年の同会議のテーマは『感染症対策』でした。

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ゲストスピーカーの方々

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発表を行う徳永勝士教授(東京大学)

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パネル・ディスカッションで意見を述べるDr. Surakameth(タイ保健省医科学局)

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会場の様子