2002年にタイ王国(以下、「タイ」)は、公務員医療給付制度や被用者向け社会保障制度の対象となっていなかった国民を対象としたUniversal Coverage Scheme(以下、UC制度)を開始した。これらの主要な3つの医療保障制度により、タイでは人口のほぼ100%をカバーできるようになった。
このようにタイは、低・中所得国の中でも早期にユニバーサルヘルスカバレッジ(以下、UHC)を達成した経験を活かし、近年、UHCに関する南南協力を精力的に実施している。また、ASEANにおけるUHC促進を目的として設立されたASEAN+3 UHCネットワークの運営委員会議長や事務局の役割も果たし…