日本の診療報酬制度を学ぶ国別研修を実施

2018年7月23日

当プロジェクトは、タイ国の保健省、国民医療保障機構(NHSO)の職員や研究者等21名を対象に、日本の診療報酬制度を学ぶための研修を、2018年6月17日06月22日の5日間実施しました。

研修の出席者は2018年5月にタイ国内で開催した日本の医療保険制度や社会保障制度を学ぶための3日間のワークショップでの知識をベースに、日本の診療報酬制度についてより深く学習し、タイにおいて一部取り入れられている診療報酬制度の改善の参考とすることを目的としました

研修の前半は、厚生労働省において「日本の医療保険制度概論」として制度を政策的視点から俯瞰する講義に始まり、「国民皆保険制度の創設」、「診療報酬制度構築の歴史的変遷」、「日本の医療財源の構成」、「日本の診療報酬制度の概要」、「予算編成の過程」、「医療保険制度に関する各種統計」、「医療指導監査」などについて学んだ後、世田谷区を訪問し「国民皆保険」の現場を見学しました。また、帝京大学病院では、「高度医療における診療報酬制度」や「医事課業務」について、病院長や実際に業務を担当している方々から現場での実際の業務やその中での課題について聞き、活発な意見交換を行いました。

研修の後半においては、日本の医療保険制度に関する重要な議論を行う「中央社会保険医療協議会」の会合を実際に見学したり、「臨床現場における診療報酬制度」についても講義を受けました。またプライマリヘルスケアの現場の取り組みとして、医療施設や高齢者向けの様々な介護施設等も訪問しました。そして研修の最後に、「診療報酬制度の審査の実際」として、社会保険診療報酬支払基金の神奈川支部を訪問させて頂き、健康保険制度における診療報酬の「審査」及び「支払」業務の実際の流れやレセプト電算処理システムによる画面審査のシミュレーション教材を使って体験的な学習を行いました。

今回の研修ではより深く日本の診療報酬制度の仕組みや実際の運用、現場での課題についての知識を深め、タイでの応用・また制度の改善の参考となる知識を得ました。今後は、タイの保健医療システムの持続性の担保や、国民の医療費の自己負担を軽減するため、既存のシステムの改革を目指して長期的な目標を持って政策立案を進め、プロジェクトも支援していきます。

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研修の様子

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研修の様子

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研修の様子

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厚生労働大臣表敬

【画像】厚生労働省にて

【画像】世田谷区長表敬