プロジェクト概要

プロジェクト名

プロジェクトロゴ

(和)コミュニティ起業家振興プロジェクト
(英)Project for Community-based Entrepreneurship Promotion

対象国名

タイ

署名日(実施合意)

2017年5月23日

プロジェクトサイト

76県(Surin, Chaing Mai, Lampoon, Mukdahan, Nakhon Phanom, Chonburi, Chantaburi, Trang and Ranongの9県より開始)

協力期間

2017年11月22日から2021年11月21日

相手国機関名

(和)内務省コミュニティ開発局
(英)Community Development Department, Ministry of Interior

背景

1980年代後半から急速に経済成長を遂げたタイは2012年に中進国入りを果たし、その後も堅調な経済成長を続けている。一方、経済発展が加速する中で都市部の貧困人口が7.7%であるのに対し農村部では13.9%(世銀2012年)であり、近年は特に都市・農村部の地域格差の是正が命題となってきた。このことからタイ政府は地方開発、農村の自主自立、伝統の知恵の維持を目的として、2001年より日本の一村一品運動(One Village One Product)をモデルにした、OTOP(One Tambon One Product=「一区一品」)を行い、農村部における生産活動・経済活動の活発化に注力してきた。

OTOPによってOTOPショップに並べられるような高品質の製品は生産されるようになったものの、中央政府主導型でコミュニティ起業家養成によるモノづくりの色彩が強いOTOPにおいては、政府からの支援の多くは能力の高い生産者に限定され、生産基盤の弱い生産者やコミュニティ全体の巻き込みが弱く、一村一品の三原則の一つであるコミュニティの自主自立・創意工夫の具現までには至らなかった。そこでJICAはタイ側の要請に基づき2012年5月より3年間、「スリン県におけるコミュニティ・キャパシティ開発による地方開発プロジェクト(草の根技術協力)」において、OTOPを補完するべく「分散体験型見本市(D-HOPE:Decentralized Hands-On Program Exhibition」の手法を導入したプロジェクトを実施した。プロジェクトでは地域住民としての地域への誇りや自信の醸成を促しながら、住民・行政・民間・大学等関係者間のネットワークを築くことで、新規/零細事業者の市場への参入障壁を低くしつつ、商品・サービスの品質・内容の向上が図られ、地域コミュニティによる多様な商品・サービス提供を行う能力を強化した。この結果、産品生産のみならず観光や体験型プログラムを含む300を超える商品・サービスの提供に成功した。

スリン県での成果を受け、タイ政府はコミュニティ起業家を育成し、OTOPを補完しながら草の根経済を活性化すべく、D-HOPEの全国展開を基軸とした本案件実施への支援を要請した。

目標

上位目標

コミュニティ起業家の育成を通じて、プロジェクト対象地の草の根経済が活性化される。

プロジェクト目標

D-HOPE手法の適用により、コミュニティ起業家が育成される。

成果

1.D-HOPE実施体制が構築される。
2.プロジェクト対象地においてD-HOPE手法が実施される。

活動

1-1.中央レベルにおいてD-HOPE戦略チームを編成する。
1-2.D-HOPE手法を通じた村落開発のためのコミュニティ起業家本邦研修を実施する。
1-3.中央レベルにおいて、D-HOPEアクションプランを作成する。
1-4.県レベルにおいてD-HOPE戦略チームを編成する。
1-5.県レベルにおいて、D-HOPEアクションプランを作成する。
1-6.D-HOPE実施マニュアルを作成する。
1-7.プロジェクト対象地のD-HOPE実施に向けた現地研修を実施する。
1-8.初期実施県で得られた教訓に基づきD-HOPE普及研修を行う。
1-9.優良事例の年次報告書を作成する。
1-10.当初実施県で得られた教訓に基づきD-HOPE実施マニュアルを改訂する。
1-11.関連するプロジェクト・施策との連携を強化する。
1-12.多変量解析を用いてD-HOPEの有用性を分析する。

<中央レベルの活動>
2-1.ベースラインデータを収集する。
2-2.D-HOPE実施を支援する。
2-3.D-HOPE振興のためのホームページを開設する。
2-4.D-HOPE実施のモニタリングを行う。
2-5.エンドラインデータを収集する。

<地方レベルの活動>
2-6.戦略的ワークショップステージI(D-HOPEチャンピオンの発掘)を実施する。
2-7.戦略的ワークショップステージII(D-HOPEプログラムの作成)を実施する。
2-8.戦略的ワークショップステージIII(カタログ作成とD-HOPEイベントのプロモーション)を実施する。
2-9.D-HOPEイベントを行う。
2-10.戦略的ワークショップステージIV(参加型評価)を実施する。

投入

日本側投入

  • 専門家派遣
    チーフアドバイザー、D-HOPE手法専門家(計画・評価)、D-HOPE手法専門家(実施)/業務調整
  • 研修:本邦研修/現地研修
  • プロジェクト活動経費

相手国側投入

  • カウンターパート配置
  • 専門家執務スペース
  • 必要情報の提供
  • ワークショップ、現地研修実施に関わる費用
  • D-HOPEカタログ関連費用
  • 現地経費(スタッフ経費、国内出張費、光熱費など)

D-HOPEとは?

D-HOPE(Decentralized Hands-on Program Exhibition:分散体験型見本市)とは

・D-HOPEは、地域に埋もれている地元資源やコミュニティ・チャンピオンを広く一般にプロモーションするイベントである。
・D-HOPEは、コミュニティ・チャンピオンの起業家精神・創造力を促進する場所である。
・D-HOPEは、コミュニティ・キャパシティと地方開発を促進する代替的な地方開発アプローチである。

D-HOPEプロジェクトでは、ダイナミックでインクルーシブな地方開発を可能とし、地方の人々が自信を持って、より豊かな生活になることを目指しています。

そのため、広く開かれた戦略的ワークショップを主体に実施し、少人数制のグループ討議の中等で、コミュニティの人々が主体性を持って開発を議論する場を多く与え、まずは地域の人々のネットワーク構築を図ります。また実際のイベントでは、お客さんとなる訪問者たちに体験型プログラムを提供する中で、各々がさらなる自信をつけ起業家精神を養い、新しい活動や事業をチャンピオン自らが継続的に挑戦していけるようになることを狙っており、そのためにも、プロジェクトではまずは楽しんで開発に取り組むこと、そしてたくさんの潜在性のあるチャンピオンを発掘し、まずは多くの埋れた資源をカタログで見える形にするよう奨励しています。