コンケンでJICA海外協力隊&S-TOPプロジェクト合同セミナーを開催

2019年6月10日

2019年6月5日~7日にかけてコンケンにてJICA海外協力隊&S-TOPプロジェクト合同セミナーを開催しました。5日~6日のプログラムには80名以上、7日の国際機能生活分類(ICF)グループ・ワーク・セッションには50名以上の参加者が出席しました。

プロジェクト短期専門家、鹿教湯病院理学療法科技師長の丸山陽一先生からの講義では、チーム・カンファレンス、個々の対象者に沿ったリハビリテーションやケアの目標設定、チームによる生活環境へのアプローチとチョンブリ県サンスク町での地域におけるリハビリテーション活動への活用事例が紹介され、参加者にとって新しい学びとなりました。

またナムポン病院(郡病院)の視察訪問では、同院の中間ケアとシームレス・ケアの取り組みについて理解を深めました。その後、参加者は二つのグループに分かれ、一つのグループはナムポン病院の中間ケア病棟を視察し、中間ケアの実践を学びとりました。もう一つのグループは、サーアド・タンボン行政機構のデイケア・センターを視察訪問しました。

他に、2019年1月、2月に本邦研修に参加したナムポン病院看護師と同院院長から、それぞれ日本での学びとタイへの適応・実践について、講義が行われ、本邦研修から得たものをより多くの関係者に広める機会となりました。

最後にJICA海外協力隊とその同僚たちによりICFについて講義とグループワークを実施、多職種間における連携のためのプラットフォームとしたICFの使用方法例を学びました。グループ・ワークでは7つのグループに分かれ、中間ケアと長期ケアのケース・スタディを行い、ICF使用による治療/ケア・プランを作成しました。ケース例は、産業リハビリテーションセンターの障害のある児童と中間ケア中の高齢者、脊椎損傷者でした。医療並びに非医療分野の参加者からなる多職種による議論を通じ、全体論的な治療/ケア・プランが創出されました。

プロジェクト・チームは、このセミナーで紹介されたチーム・アプローチが参加者によりパイロット・サイトにおける効果的で効率的な中間ケアとシームレス・サービスの創出のために活用されると強く期待しています。

今回のセミナーではJICA海外協力隊とS-TOPで協働、互いの強みと持ち味を生かし、個々では実現が難しい、講義から実践をカバーする事ができました。JICA海外協力隊と技術協力プロジェクトが一つの目標に向かって協力し合い、良い結果が出た好事例の取組となりました。

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丸山短期専門家による講義

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ナムポン病院での看護師による概要説明

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サーアド・タンボン行政機構のデイケア・センター視察

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米田専門家による講義

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JOCV隊員によるICFグループ・ワーク手順説明

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グループワークの様子