バンコク都職員を対象とした第3回本邦研修が実施されました

2022年10月5日

新型コロナウイルス感染症のため、実施が延期されていた、第3回本邦研修は、環境局長以下、バンコク都(BMA)職員15名が参加し、9月1日から16日まで実施されました。

横浜市、環境省、民間企業などの協力のもと、気候変動マスタープランの5セクターについて様々な講義の受講や視察を行いました。

特に、コロナ禍の中、民間企業の積極的な支援により、先進的な取り組みの紹介や施設への視察を実施することができました。

ハイレベル意見交換

横浜市副市長表敬では、城副市長・平原副市長より、長年の協力への感謝とともに、今後の都市間連携事業を通じて事業が形成されることへの期待、またバンコク都職員の皆様の横浜市滞在が有意義なものになるように市として協力したいと述べられました。

BMAのウィラット環境局長は、横浜市の協力に謝意をのべ、現在の知事からの命題としてごみの収集方法の問題、ごみの約50%を占める食品ゴミの問題について述べられました。横浜の事例を見習って、市民がやりやすい分別手法を取り入れていきたいと述べられました。

また、その後、気候変動政策について局長レベルでの意見交換が行われました。

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ウィラット環境局長、ウォラヌッ副局長より城副市長に挨拶

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ウィラット環境局長より城副市長・平原副市長に記念品の贈呈

エネルギーセクター

横浜市より2050年までに脱炭素化を目指す試み、また2050年までに再生可能エネルギー100%を目指すなど、横浜の現状と、取り組み内容について発表がありました。

また横浜市が実施する事務・事業からの排出量を、建築物毎にエネルギーカルテというデータ収集分析の手法を活用し、2030年までに50%削減を目指す取り組みについて情報共有されました。

横浜スマートシティプロジェクトでは、さまざまな実証事業の積み重ねによってエネルギーマネジメントの基盤技術確立されたことが紹介されました。

横浜市庁舎では、新市庁舎の壁、空調設備、電気設備などでの先進的な省エネの取り組み、及び非常時の備えについて説明がされました。

ESCO事業の取り組み事例については、横浜市及び事業者である東芝エレベーターより説明がされました。

大成建設の研究施設への視察では、ゼロエミッションビルディング(ZEB)を実現するため、フィルム型太陽電池、自然光採光システム、排熱利用の空調システム、燃料電池などを活用した取り組みの視察を行いました。

東京ガスではCO2を回収し、合成メタンをつくる実証実験施設を見学しました。

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大成建設のゼロエミッションビルディング(ZEB)

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東京ガスのCO2を回収し合成メタンをつくる実証実験施設

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黒水チーフアドバイザーによる説明

交通

都市交通として、ベイバイク(シェア自転車)、地下鉄、ロープウェイの視察も行われました。また、都市交通関連では、警視庁交通管制センターを訪問し、高速道路や幹線道路の様々な機器を活用しての渋滞状況の情報収集・発信手法などを視察しました。

日産自動車ではEV活用に向けての取り組みについて説明がされました。

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日産自動車にてEV関連の視察

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ベイバイク(シェア自転車)の視察

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警視庁交通管制センターの視察

ゴミ・下水

東京ベイアスコンのアスファルトの再利用のための再生工場、ごみの焼却熱で発電する焼却所施設、下水処理施設や汚泥センターの視察を行いました。また、ごみ回収の仕組みや自治会によるごみ収集場所のネット管理などについても視察を行いました。

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東京ベイアスコン視察

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ごみ回収場所視察するウィラット環境局長

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下水処理場視察

都市緑化

横浜の中心部である、JICA横浜センター、日本大通り、アメリカ山公園、港の見える丘公園、フランス山などを徒歩で回遊し、都市の緑化、都市計画事業、都市整備事業について横浜市より説明を受けました。

里山ガーデン・ズーラシアを視察し、都市の里山の活用、市民への啓発活動、民間団体と協力しながらの魅力を生かした緑地管理手法などについて説明を受けました。

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本大通りで横浜市の街の成り立ちについて説明

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港の見える丘公園で記念撮影

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里山ガーデン視察

適応

横浜市における下水施設を活用しての想定雨量別の集中豪雨による浸水対策。国土交通省の協力で鶴見川多目的遊水地の視察を行い、遊水地だけではなく下水施設、流出抑制施設、周辺の緑地・農地保全など総合的に洪水対策を行っていると説明を受けました。

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鶴見川多目的遊水地視察

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2014年台風時の遊水地の様子

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川流域の衛星写真を見ながらの洪水対策の説明

気候変動全体・民間連携

環境省からは国としての気候変動の2030年までに46%のGHG削減、2050年までにネットゼロを目指す目標、中央政府から地方自治体への支援の枠組み、海外都市と日本の都市の連携を通じての気候変動課題の解決、ESG投資を促進することでの環境投資の促進させる取り組みについて発表がありました。

横浜市と在横浜市民間企業の連携により、アジアの都市の気候変動課題を解決に取り組むY-PORT事業についても説明がありました。

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Y-PORTセンターにてY-PORT事業説明

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環境省より国の政策について講義

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質問するバンコク都職員スパワンさん