プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)Thailand 4.0を実現するスマート交通戦略
(英)The Project of Smart Transport Strategy for Thailand 4.0

対象国名

タイ

署名日(実施合意)

2018年1月30日

協力期間

2018年6月1日から2024年3月31日

相手国機関名

タマサート大学、カセサート大学、チュラロンコン大学、アジア工科大学院(AIT)、国立電子コンピュータ技術研究センター(NECTEC)

背景

私たちは車で移動するなど日常生活でエネルギーを使い、温室効果ガスを排出しています。温室効果ガスが増えると地球温暖化が進み、私たちの生活を脅かす恐れがあります。温室効果ガスを減らし、住みやすい低炭素社会を実現することは、世界が協力して取り組む地球規模課題の一つと言えます。タイの首都バンコクは、経済成長に伴い人口が増え、自家用車も増え、交通渋滞が起き、空気が汚れ、温室効果ガスの増加も深刻な問題です。そのためタイ政府はThailand4.0という新たな戦略を掲げました。その優先課題の一つは、人工知能AIなど先端技術を用いて、環境にやさしい、人々の生活の質が高くなる、新しい都市計画(スマートシティ)作りです。このような課題を解決するため、タイと日本の研究機関が、地球規模課題対応技術協力(以下SATREPS)「Thailand4.0を実現するスマート交通戦略プロジェクト」を実施しています。

目標

上位目標

QOLの向上と低炭素化を両立させる「スマート交通統合戦略手法」に基づき、リープフロッグ型成長戦略パスが普及する。

プロジェクト目標

1.市民の生活の質(Quality of Life 以下QOL)向上と社会の低炭素化を同時達成する「スマート交通統合戦略」の考え方を提起し、その実現のために交通政策と交通インフラ整備をパッケージとして評価する手法を開発する。
2.上記を用いて、Sukhumvit地区においてSukhumvit Model(交通政策パッケージ)を提示する。

成果

1.生活者を中心においた土地利用・交通統合モデルが開発される。
2.“Street for all”を実現するスマート交通・街区デザインが提案される。
3.居住者の QOL に基づく土地利用・交通システム都市を評価する手法が開発される。
4.基盤空間データが構築され可視化されたデジタルアースが開発される。

活動

1-1.立地・交通行動の現状把握。
1-2.利用可能データ整理及び入手。
1-3.タイ行政機関との対話による土地利用・交通デザインの要求事項の整理。
1-4.土地利用・交通モデル(マイクロシミュレーション)の構築。
1-5.複数の土地利用・交通デザインシナリオの構築と立地・交通行動への影響分析。
1-6.土地利用・交通デザインツール及びガイドラインの作成。

2-1.バンコクにおける土地利用・交通に関する政策及び現状分析。
2-2.小型電動モビリティを用いた次世代地区内交通サービス社会実験。
2-3.個人属性と地区特性を考慮した交通・車両マネジメントアプリケーションの開発。
2-4.Walkability・Usability評価・設計システムの開発。
2-5.ビッグデータを活用した交通流マネジメントシステムの開発。
2-6.Street for allガイドラインの作成。

3-1.人々の評価基準及び評価手法の検討。
3-2.住民の生活価値観に関するアンケート調査の実施。
3-3.経済成長に伴う価値観変化予測・分析。
3-4.交通環境・居住環境を中心としたQOL評価の検証。
3-5.スマート交通統合戦略手法の提案。

4-1.デジタルアースによる土地利用・交通情報の統合的可視化の枠組み検討。
4-2.土地利用に関するマイクロジオデータの開発・整備。
4-3.移動体ビックデータ解析システムの開発と取得。
4-4.時空間QOL計測・評価用のパーソナル・プローブ・システムの開発。
4-5.デジタルアースシステムによる統合的可視化。

投入

日本側投入

1.長期専門家(業務調整員)60M/M
2.短期専門家(在外研究員派遣)
3.供与機材
4.研修員受入(長期外国人研究員受入)

相手国側投入

1.カウンターパートの配置
2.専門家の執務スペース
3.プロジェクト運営管理費(国内出張旅費など)
4.プロジェクト活動に必要となる機材の運用・維持管理経費