プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)人身取引被害者保護・自立支援促進プロジェクト

対象国名

タイ

プロジェクトサイト

バンコク首都圏、チェンライ県、パヤオ県

署名日(実施合意)

2009年3月17日

協力期間

2009年3月17日から2014年3月16日

相手国機関名

(和)社会開発人間安全保障省、社会福祉局、女性と子どもの人身取引対策部

背景

タイにおいては、急速な経済発展や情報流通の高度化に伴い、1980年代以降、人身取引事案が多数発生している。タイ国は、日本、中近東、アメリカ、ヨーロッパ諸国などへ人を送り出す「送出国」であり、韓国やマレーシアなどタイ以外の国からタイを経由し第三国に移送する「経由国」であると同時に、ラオスやカンボジアなどのメコン地域諸国からの被害者の「受入国(目的地)」でもある。こうしたことから、タイにおいては、人身取引対策は大きな課題として認識されている。

タイ政府はこの課題に包括的に取り組むために、2008年には「人身取引対策法(The Anti-Trafficking in Persons Act 2008)」を制定、社会開発人間安全保障省がフォーカルポイントとなっている。同省は政府の各機関及び政府・NGO間の調整機関としての役割の他、政府、NGO、及び国際機関で構成される「国家人身取引防止禁止委員会」の事務局としての役割も担っている。

人身取引対策に当たっては「被害の予防」、「被害者の救出と保護」及び「加害者の訴追と処罰」を包括的に行う必要がある。なかでも「被害者の救出と保護」は、a)人身取引の被害者を「犯罪者」ではなく「被害者」として認定する、b)被害者を救出し適切且つ安全な避難所に送る、c)被害者の心身を回復させ、必要ならば教育や職業訓練を行う、d)必要な法的サービスを提供する、e)出身地への送還などを含む自立・社会復帰を支援する、f)再び人身取引の被害に遭わないようにするなどの幅広い、長期にわたるさまざまな支援が必要となる。

これらの支援を実施するためには、関係する政府機関、NGOなどが連携して包括的に取り組むことが重要であり、そのためタイ政府は、人身取引被害者の保護・支援のための「多分野協働チーム(MDT: Multi-Disciplinary Team)」アプローチを採用している。しかし、MDTアプローチの実践に関しては、スタッフの能力、関係機関間の連携などに課題があり被害者の保護・支援が十分に機能しているとは言い難い。そこでこのMDTのアプローチの強化を目的とする技術協力プロジェクトを実施するにいたった。

目標

上位目標:

タイ国政府が人身取引被害者保護・自立支援のためのMDTアプローチ5を普及させる。

プロジェクト目標:

タイ国政府が中央/地方MDTを通じて人身取引被害者に対する効果的な保護・自立支援を実施する。

成果

  1. 人身取引被害者保護・自立支援のために中央MDTの機能(調整・管理・実施・能力開発)が強化される。
  2. 人身取引被害者保護・自立支援のために地方MDTの機能(調整・管理・実施・能力開発)が強化される。
  3. 人身取引被害者保護・自立支援のためのMDTアプローチに関わる教訓が、関連諸国間で情報が共有される。

活動

1-1.
MDT実施ガイドラインを作成する。
1-2.
中央(バンコク中心部・近郊)のMDTメンバー、ケースマネジャーの能力開発のためのワークショップや研修を実施する。
1-3.
中央(バンコク首都圏・近郊)のケースマネジャー、MDTメンバーの活動評価を実施する。
2-1.
中央MDT実施ガイドラインの修正/変更を実施する。
2-2.
パイロットエリアにおけるMDTメンバー、関連する人、ケースマネジャーの能力開発のためのワークショップや研修を実施する。
2-3.
各パイロット地方のMDTメンバー、ケースマネジャーの活動評価を実施する。
2-4.
他の地域(パイロット以外の地域)でMDTアプローチの強化を促進する。
3-1.
タイでメコン地域ワークショップを実施し地域で経験や成功事案を共有する。
3-2.
タイ−日本ワークショップを日本で1年に1回行い、日本とタイにおける人身取引被害者保護、MDTアプローチ、成功事案、経験を共有する。

投入

日本側投入:

  • 長期専門家:2名(チーフアドバイザー、人身取引対策/業務調整)
  • 短期専門家:2-3名/年(カウンセリング、ケースマネージメント、データベース構築、職業訓練等)
  • データベース構築やMulti-Disciplinary Teamの活動、研修等に必要な設備
  • 日本およびタイで行う研修/セミナーに必要な経費

相手国側投入:

  • カウンターパートの配置
  • JICA専門家のための事務所の提供
  • その他必要な設備
  • 研修やセミナーに必要な経費

English Project Outline

PDF/30KB