プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)アシガバット市地域における地震リスク評価のためのモニタリング改善プロジェクト
(英)The Project for Improvement of the Earthquake Monitoring System in and around the Ashgabat City

対象国名

トルクメニスタン国

署名日(実施合意)

2016年2月18日

プロジェクトサイト

アシガバット市及びその周辺地域

協力期間

2017年7月3日から2020年11月30日

相手国機関名

トルクメニスタン科学アカデミー地震大気物理学研究所、耐震建設研究所、国防省民間防衛・救助活動総局

背景

トルクメニスタンは造山運動の影響を受ける地震リスクの高い地域であり、過去には、1895年、1929年、1948年と度々大地震を経験している。特に、1948年の大地震では、アシガバット周辺は壊滅的な被害を受け、10万人以上の犠牲者が出たとの報告もある。今後、再度アシガバット周辺で大規模な地震が発生した場合、多数の死傷者や家屋、ライフラインの被災など、莫大な人的・社会的・経済的損失が生じると予測される。
しかしながら、トルクメニスタンの地震防災セクターにおいては、地震防災の一連の流れ、すなわち、1)地震観測(正確な震度の計測と震源位置・地震の規模の迅速な把握)⇒2)地震ハザード評価(想定される地震に対する対象地域の地盤の揺れの評価)⇒3)地震リスク評価(対象地域の建築物個々の特性等を踏まえた、地震により生じる損失の評価)⇒4)地震防災計画の策定の各段階において、それぞれ課題を抱えている。
地震防災の基礎となる「地震観測」においては、観測のための現有施設・機材の大半は、ソ連時代から更新されていないアナログ式であり、迅速で精度の高い地震情報の取得が困難である。このことから、適切な地震情報が得られないため、「地震ハザード評価」も不十分となっている。また、トルクメニスタンにおいて、アシガバット市などの都市の「地震リスク評価」の方法についての規定は存在しない。「地震防災計画」については、民間防衛法の規定に従った総合的な防災計画が策定されているが、アシガバット市では避難場所の指定が行われておらず、支援部隊の投入計画や支援物資の備蓄・供給計画などの具体的な地震防災計画は策定されていない。
上記のとおり、トルクメニスタンでは地震防災セクターの各段階で課題を抱えているが、セクター全体の能力の向上のためには、まずその基礎となる地震観測能力の向上及び地震ハザード評価に関する能力の向上が、より優先度の高い課題であると考えられる。

プロジェクトの目的

本事業は、アシガバット市及びその周辺地域において、地震観測・強震観測システムの整備、震度・震源・地震の規模の迅速な決定及びパイロット地区における震度の推定のためのシステム構築を通じ、地震観測及び地震ハザード評価に関する能力向上を図り、もって、地震観測データと地震ハザード評価の結果を適用した地震リスク評価の実施及び地震防災計画の策定に寄与するものである。

目標

上位目標

プロジェクト対象地域において、地震観測データと地震ハザード評価の結果を適用した地震リスク評価と地震防災計画の策定が行われる。

プロジェクト目標

プロジェクト対象地域における地震観測及び地震ハザード評価にかかる能力が向上する。

成果

成果1:デジタル化されたリアルタイム地震観測システムが運用される。
成果2:デジタル化されたリアルタイム強震観測システムが運用される。
成果3:計測震度、震源の位置及び地震の規模が迅速に決定できるようになる。
成果4:最新の技術により、パイロットプロジェクト地区での震度が面的に推定できるようになる。

活動

1-1 デジタル地震観測点導入にかかる計画を策定する。
1-2 デジタル地震観測点導入に必要な機材を調達する。
1-3 デジタル地震観測点の運用にかかる訓練を行う。
1-4 デジタル地震観測システムの活用に関するセミナーを行う。
1-5 デジタル地震観測データを提供する。

2-1 デジタル強震観測システム導入にかかる計画を策定する。
2-2 デジタル強震観測システム導入に必要な機材を調達する。
2-3 デジタル強震観測システムの運用にかかる訓練を行う。
2-4 デジタル強震観測システムの活用に関するセミナーを行う。
2-5 デジタル強震観測データを提供する。

3-1 計測震度、震源の位置及び地震の規模決定のマニュアルを作成する。
3-2 マニュアルに沿って訓練を行う。

4-1 必要な機材の仕様を決定する。
4-2 機材を調達し、設置する。
4-3 強震観測点においてPS検層を行う。
4-4 地盤のS波速度構造の推定を行う。
4-5 パイロットプロジェクト地区において想定地震による震度の面的な計算を行う。

投入

日本側投入

・専門家:防災行政、地震観測、強震観測、業務調整等
・機材供与:地震計、強震計等
・研修:本邦研修、現地研修

相手国側投入

・カウンターパートの配置及び人件費
・プロジェクトオフィスの提供
・震源及び地震の規模決定のためのデータ処理システムの導入等