ツバル国は、標高1〜3mと低平で,地球温暖化の影響による海面上昇により水没の危機に瀕している。一方で,急増する人為圧力によってサンゴ礁生態系の劣化が進み,国土の堆積物を作るサンゴや有孔虫の生産量が著しく減少しているとも言われ、水没への危険性は、海面上昇のみならず,人口増加や経済発展などローカルな問題が重ね合わさって高まっていると考えられている。生態学的なメカニズムを無視した海岸保全対策は、長期的には島の維持機構が破壊されてしまう可能性が高い。そのため、海面上昇に対する施策を建てるためには,島の形成・維持メカニズムの理解に基づいて,現在の問題を取り除き,将来の海面上昇に対する復元力の高い島を再生…