ウガンダ・ナカワ職業訓練校協力50周年記念式典開催-日本の「確かな技術力」をウガンダへ-

2018年10月18日

雇用につながる「出口のある教育」として、「アフリカ産業人材育成センター」を通じた日本の人材育成支援は、日系企業及びアフリカの産業界からも注目が集まっております。

こうした中、10月10日に首都カンパラで、亀田和明特命全権大使、ジャネット・ムセベニ教育・スポーツ大臣の臨席の下、JICAによるナカワ職業訓練校(NVTI)に対する協力50周年記念式典が開催されました。半世紀に渡るJICAの協力のもと、日本の「確かな技術力」がNVTIの卒業生を中心にウガンダ各地に広まり、近年堅調な発展を遂げているウガンダ産業開発の布石を作り、貢献してきたといっても過言ではありません。

記念式典においては、来賓からのスピーチに加え、これまでの協力に貢献してきた関係者への表彰及び記念品贈呈が行われました。表彰されたのは、ウガンダ側はNVTIの歴代校長、副校長に加えて、マスター・トレーナー、永年勤続者、理事会メンバーです。また、ムセベニ大臣から、これまでNVTI事業に従事したJICA専門家等に対しても表彰状が送られるなど、長年の協力に対して感謝の意が示されました。その他、JOCVが指導するウガンダ小学生による「ソーラン節」の踊りやNVTIの指導員による独特の手拍子で会場は盛り上がり、50周年記念式典に相応しい盛大なイベントとなりました。

JICAによるNVTIに対する協力が開始されたのは1968年、実に半世紀に渡り日本はウガンダの支援を継続してきました。その歴史は、1968年から1974年にかけて実施された「ウガンダ職業訓練センター協力」に始まります。その後、ウガンダの内戦を理由に約20年間協力は途絶えましたが、その間も、JICA専門家の指導を受けた指導員らが訓練活動を続けました。1986年のムセベニ大統領就任後、1994年に協力が再開され、現在実施中の本プロジェクトに至るまで、JICAは、主にNVTIを通して、ウガンダのみならず、ウガンダ周辺国の産業人材育成も支援してきました。

ウガンダの経済発展に伴い、産業界が求める人材像の多様化が進む中、これらのニーズに対応できる人材育成の重要性が今まで以上に高まっています。その一方で、ウガンダのこれまでのディプロマ資格は理論偏重であり、実践力に乏しいと日系企業を含む産業界から指摘されています。NVTIは、本プロジェクトを通じて、高度な技能を持つ人材の育成を目的として2018年8月に理論と実践的な技能が両立したボケーショナル(職業)ディプロマコースを開講しました。

50年の支援を通じ、JICAがウガンダの産業人材育成のために築こうとしてきたもの、それは「確かな技術力」を持つ人材です。NVTIの指導員を通じてこの「確かな技術力」をさらにウガンダ国内外に広く普及し、アフリカの若者たちが雇用を得ること、技術者たちが更に技能を向上し地域の産業発展に資することを目指し、アフリカの産業人材育成ハブとして頑張っていきます!

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50周年記念碑(亀田大使とムセベニ大臣)

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JICA専門家等の功績を称える表彰状をムセベニ大臣から受け取る亀田大使