(日)東部ウガンダ持続型灌漑農業開発計画プロジェクト
(英)Sustainable Irrigated Agriculture Development Project in Eastern Uganda
ウガンダ
2008年4月28日
東部22県(ブダカ、ブギリ、クミ、シロンコ、イガンガ、トロロ、マユゲ、ブシア、ムバレ、カムリ、ソロティ、カタクウィ、カベラマイド、パリサ、ブケデア、ナムトゥンバ、ブタレジャ、マナフワ、カリロ、アムリア、ブドゥダ、ジンジャ)
2008年6月11日から2011年6月30日
農業畜産水産省
農林水産省
ウガンダ共和国の農業は、国内総生産(GDP)の43%、輸出総額の90%以上、雇用人口の86%(1998年)を占める基幹産業である。農民の大多数は、農地が2ha以下の小規模農家であり伝統的農法により自給自足的農業を営んでいる。自然条件は年平均気温摂氏20度、年間降水量1,500〜1,750mmと農業生産に適した環境にあるといえる。
ウ国における農業は経済発展のための重点分野として位置づけられ、2000年の「農業近代化計画(PMA)」では、(1)貧困農民の所得と生活水準の向上、(2)世帯レベルでの食料安全保障、(3)農業関連分野での雇用の創出、(4)自然資源の持続的利用と管理の促進、の4点が主目的とされた。現在、同計画の環境管理庁は水資源の現況調査、及び農業生産向上のための水利用調査を実施しており水田の灌漑開発を湿地の有効利用と保全との調和を図る重要な施策として捉えている。更に、現在、農業畜産水産省農地開発局が策定中の灌漑政策では旱魃被害の緩和、灌漑施設の受益者への移管、小農支援、適正技術の普及、湿地の持続的開発等が掲げられている。本技プロ対象の東部地域(面積約2万km2、人口約420万人)は湿地帯が多く、水稲栽培が盛んであるが、多くは小規模農民による粗放的な水稲作(氾濫源を利用した天水依存型)で技術的に問題が多く、既存の政府所有の灌漑排水施設も維持管理不足による修復が必要となっている。FAOの1995年調査ではウ国の灌漑可能面積は20.2万haであるが、実際は5,000haにも満たない。また、同地域では1998〜2000年の旱魃時に農業生産に甚大な被害を受け水資源の有効利用が重要視されてきている。
かかる状況の下で、ウ国は同国東部地域10県を対象とする水稲作を中心とした灌漑農業開発に必要な調査の実施を要請し、我が国は2003年11より開発調査「東部ウガンダ持続型灌漑開発計画調査」を実施し、持続性重視とマクロレベルの長期的視点に立つ灌漑農業開発計画(D/P)、農村レベルで目に見える効果が期待できるパイロットプロジェクトを実施するための行動計画(A/P)を策定し、灌漑及び水田稲作技術をカウンターパートや農民に移転した。
本案件は、同調査の後継案件として、2006年8月にウ国から要請された。
対象地域におけるコメ生産量増加によってウガンダのコメ自給達成に貢献する。
対象地域のプロジェクトサイトへの持続的灌漑農業技術の導入によりコメの生産量と生産性が向上する。