プロジェクトの各活動が開始されました。

NSDI構築・運用計画（案）作成

「NSDI構築・運用計画（案）作成」に関係するウクライナ国側のカウンターパートが3名指名され、検討・協議等を開始しました。また検討・協議の進行に対して追加のカウンターパートの指名と参加を得て次のような業務を開始しています。
・NSDIの基礎情報の収集の一環としてカウンターパート機関の組織構成等の基礎調査
・NSDIの構築・運用計画策定に必要となるウクライナ国の社会・経済・行政分野の基礎調査
さらにNSDIの法的な枠組み調査の開始で、審議未了となっていたウクライナ国のNSDI法案の修正法案を入手し、カウンターパートと共にその修正内容の検討を開始しています。

関係機関連携の確立

「関係機関連携の確立」に関係するウクライナ国側のカウンターパートが3名指名され関係機関連携の確立の業務を開始しています。
業務開始にともなって新たに2名のカウンターパートの指名を得て業務を進めています。
業務では、NSDI構築・運用のための組織構造や運営事項を検討するために、日本をはじめとする各国の事例をとりまとめ、カウンターパートと協議を実施しています。
また連携の対象となる関係機関についてカウンターパート機関の内部調査に基づいて9機関を特定しました。さらにこれらの機関のNSDIデータの提供の可否、NSDIデータの利用ポテンシャルのある機関の抽出を行っています。
そしてこれらの関係機関がNSDI構築・運用に対してどうような意向を持っているのかを調査する質問票の作成を行っています。

地理情報標準（案）の作成

「地理情報標準（案）作成」に関係するウクライナ国側のカウンターパートが4名指名され地理情報標準（案）作成の業務を開始しています。
主たるカウンターパートは、カウンターパート機関傘下の別の機関の職員で、ウクライナ国の地理情報標準制定の国内委員会のメンバーでもある。
ウクライナ国では上記国内委員会の活動により一部の地理情報標準の標準化が終わっていることが判明しましたが、大部分の標準化が未着手の状態です。
現在国内委員会のメンバーでもあるカウンターパートとの協議で、以降の標準化では日本における標準化の手順と過程を踏襲することで合意いしています。

NSDIプロトタイプ構築

「NSDIプロトタイプ構築」に関係するウクライナ国側のカウンターパートが4名指名され、NSDIプロトタイプ構築の業務を開始しています。
NSDIプロトタイプ構築のパイロットエリアは首都キーウから南西方向約260kmに位置するVinnytsia District （1023.63平方キロメートル）に決まりました。
パイロットエリアの決定に伴ってパイロットエリアを対象にした航空写真撮影に着手しています。
航空写真撮影と並行してパイロットエリアを対象にして整備する地理空間データの仕様の検討をカウンターパートと開始しています。仕様の中で整備する地理空間データの項目数は、約170項目にのぼっています。
NSDIプロトタイプ構築では、データを整備すると同時にそのデータを共有し活用するシステムの構築を行います。
この「システム構築」に関係するウクライナ国側のカウンターパートが2名指名され、システム構築に関係する業務を開始しています。
ウクライナ国には、地籍のデータを管理・活用するシステムが稼働しており、プロジェクトのシステム構築では、これら既存のシステムとの整合性を維持する基本方針を確認しています。この方針に基づいてカウンターパートとの協議を通じて既存システムの調査を行いました。また協議を通じてシステム構築で利用するハードウェアの仕様も決定しました。

C/P、関係機関能力強化

2015年12月9日から12月18日までプロジェクトの運営指導調査団としてNSDI法及び関係法定体系の連携の為に国土地理院から勝田氏がウクライナに来られました。同氏は、連携分野にかんする「NSDIの法的枠組みとNSDI法制定の経緯」及び「NSDI法制定への国土地理院の役割」に関する講義をカウンターパート機関の職員に対して実施しました。講義の後の質疑応答では、多くの関連する質問がでました。
その後パイロットエリアとなったVinnytsias市やカウンターパート機関の上位省庁であるMinistry of Development, Construction and Municipal Economy in Ukraineと意見交換を行いました。