2011年12月までの活動を振り返って

2012年1月9日

2010年7月に開始された本プロジェクトもこの12月で1年半が経過、3年計画の半ばに差し掛かっている。第一年次から開始された「道路交通法と安全教育」や「取締り」などの4教科についての教材作りは、当初の新しい教科書の作成から参考教材の作成に切り替え、現在も引き続き作成中である。理論を中心としたテキストは概ね完了してきており、今は映像教材や演習問題の作成に取り組んでいる。教材の作成と並行して実施されているのが新しい教授法の導入である。新しい教授法は、これまでの先生から学生への一方通行の授業から学生を主体とした授業への転換を目指すものであり、日本をはじめとして先進諸国を中心として取り組まれてきている教授法である。

教授法の改訂は、教材の内容にもかかわる重要な課題であるが、これがなかなかうまくいかない。CPは新しい授業法の必要性を言うものの、「今、何が問題で、どの様に改善したいのか」と尋ねても返ってくる答えは、今年から単位制が導入され、教授法についても改善している、学生の討論会も導入した、予習や復習問題も出している、年間の授業計画も詳細に作成している、である。「そこまでしているなら、問題がないはずではないか、我々がとやかく言う必要はない」と言うと、「いや、改善しなければならない」という答えだけで具体的な問題や課題は返ってこない。現実問題として、試験的授業を見ている限り残念ながら学生を主体とする教授法にはほど遠く、まだまだ課題が残されていることが明らかである。「問題があると言いたくない」「認めたくない」、現実とプライドの間で揺れる彼らの葛藤が感じられる。彼らの率直な意見を引き出していく努力が足らないのだろうか。

交通安全研究センターは、どうにか動き始めた。まだ2回であるが研究発表会も定期的に開催する体制もできつつあり、研究内容についても議論することが始まっている。もちろん、研究レベルから見るとまだまだ初歩的なレベルであるが、研究することに対する興味は徐々に芽生えつつあることが感じられる。今後は、少し予算をつけてもらって、具体的にデータを収集し分析して行くような経験を積み重ねて行くことが重要である。しかしながら、研究成果が政策にまで反映されていくための道のりはまだまだ遠い。限られた時間内で日本人専門家からの効果的な技術指導が待たれる。

第2年次から取り組んでいる現役警察官研修については、世銀のVRSPやJICA北部交通安全プロジェクトの研修に関わる活動を連携して実施していくための了解を得て、関係部局との調整に入ったところである。しかしながら、現役警察官研修を定期的に実施していくためにはさらに関係機関との調整や公安本省からの承認を取り付けて行くことが必要であり、そのためにパイロット活動を成果あるものにしたうえで、上部機関への働きかけをしていくことが肝要である。

計画の半分を過ぎた段階で、まだまだ多くの課題が残されている。しかしながら、問題の所在や課題等が見えてきていること、警察学院の学長をはじめ幹部の方々の積極的かかわりが明日につながるものと期待しているところである。