2008年6月30日
1:日本特許庁からの短期専門家の招聘(6月)
1)「実体審査に於けるIP情報システムの有効活用」専門家においては、プロジェクトが開発したIP Sea(審査官用の検索システム)システムの評価を行い、これが審査実務において有効に活用できるものである、との確認を得た。併せて、起案書作成における効率化を図るため、検索結果と起案システムの連動リンクの確立を検討すること等の提言を得た。
2)「IP情報システムの中長期計画」専門家においては、NOIPが作成した更新計画(案)について評価し、その内容に十分な根拠があり、かつプロジェクト終了後のNOIPの自立発展に向け実現性のある案となっている、との確認を得た。併せて、システムの安定稼動の観点から重要なネットワーク機器や集中管理用機器の調達を計画に盛り込むべき等の提言を得た。
2:IP Sea(審査官用検索システム)の本格リリース従来使用している検索システムを、プロジェクトが開発した迅速性、正確性、効率性に勝るIP Sea/TRM, IND, PATに置き換えることを目的に改善を進めてきたが、このうち出願件数が最も多いTRM(商標)分野のIP Seaシステムについて、6月下旬にTRM審査官を対象にしたユーザ・トレーニングを経て利用を開始した(リリース)。2週間ほどの旧システムとの併用後、7月中旬にはIP Sea TRMに切り替える予定である。
IP Sea INDとPATについては引き続き改善を推進しており、7月末までにはユーザ・トレーニングを実施してリリースの予定である。
写真:C/P(カウンターパート)によるユーザ・トレーニング
3:IPDL(電子図書館)の本格サービス開始
現在基本機能が利用可能であるが、本年3月末までに開発した追加機能を装備した最終機能版については、引き続きテストを実施中であり、8月初旬までに完成版のリリースの予定である。
4.IPAS-Uの進捗
NOIPが独力で2009年末までにサーバ、ソフト、PCを増設する予定の本プロジェクトは、入札を経て6月末までに業者選定が終了し、8月頃までに契約締結の予定である。
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・UTIPINFO:Utilization of Intellectual Property Information (知的財産権情報活用プロジェクト)
・NOIP:National Office of Intellectual Office in Vietnam (ベトナム特許庁)
・E-Filing:電子出願オンライン
・IP:Intellectual Property:知的財産権
・IP Sea:IP Search System (知的財産権検索システム)
・IP Sea TRM(商標検索システム)
・IP Sea IND(意匠検索システム)
・IP Sea PAT(特許検索システム)
・IPDL:IP Digital Library (IP電子図書館)
・MOST:Ministry of Science and Technology (科学技術省)
・MIC: Ministry of Information and Communications (情報通信省)
・Root CA:Root Certificate Authority (CA向け電子用命書を発行する認証局)
・Public CA:Public Certificate Authority(エンドユーザ向け電子証明書を発行する認証局