国会事務局能力向上訪日研修(図書館OJT研修)

2017年4月13日

2016年12月12日から22日にかけて、ベトナム国会図書館を対象とする研修を実施しました。日本の国立国会図書館におけるOJT形式の研修は、今回で3回目となります。ベトナム国会図書館から、電子図書館課長のチャン・ティ・ニンさんと調査サービス課専門官のグエン・ティ・ハイ・ハーさんの2名が参加しました。
研修員は、国立国会図書館調査及び立法考査局の国土交通課と外交防衛課でOJT研修を受けました。OJT研修では、「資料提供の依頼に対する回答」と「文書・レクチャーによる回答」に関する実習が行われました。担当調査員の指導の下、研修員は各自別々のテーマについて、資料を検索し、レポートの形にまとめた後、ロールプレイ形式で発表を行いました。その後、出席者から研修員に対し、質問、コメント、意見等がなされ、研修員の理解が深められました。
OJT研修では、インターネットで関連情報を入手できる国や国際機関等のウェブサイトを多く紹介していただきました。データベースも含め、参考資料の拡充が課題となっているベトナム国会図書館にとって大変有益なものでした。
また、研修期間中の2日間を費やし、「年齢別人口構成を踏まえた労働政策上の課題」と「憲法をめぐる最近の動き」をテーマとして、研修員と国立国会図書館の調査員による共同セミナーが2回開催されました。セミナーでは発表者と参加者との間で大変活発な質疑応答が行われました。
今後、ベトナムでは人口法と労働法の改正が行われることが予定されています。研修員は、これら法規の改正に関連する情報を国会議員に提供・報告する際には、今回の共同セミナーで共有された日本の知見を活用したいとの意欲を示すなど、共同セミナーはベトナム側にとって大変有意義な機会となりました。
なお、2014年1月から開始したJICA-ONAプロジェクトの枠組みでの図書館OJT研修は、今回が最終回となります。
ベトナム国会図書館によれば、これまで実施された研修や現地セミナーにおいて共有された国立国会図書館の業務のノウハウ等は、ベトナム国会図書館の実際の業務で積極的に活用されているとのことです。例えば、これまで調査サービス課では、業務に際し職員個人の自主性を重視していましたが、現在では課内で事前に調査計画を立て、分担を決め、報告書案について課内でチェックしたり意見交換したりするようになったそうです。また、国立国会図書館調査及び立法考査局が刊行する「調査と情報・ISSUE BRIEF」(時々の国政上の課題に関する簡潔な解説シリーズ)等の刊行物をモデルにして、ベトナム国会図書館独自の刊行物を作成し、国会議員等に配布しているとのことです。
さらに今後、ベトナム国会図書館では、これまでの研修で得られた知識と経験をまとめて内部で小規模のワークショップを開催し、研修成果の共有に加え、その成果をベトナム国会図書館の日常業務にどのように取り込んでいくかについて具体的な議論を行う予定となっています。
2017年、ベトナム国会図書館は、「業務・利用者サービスガイドライン」の策定を計画しています。策定に際しては、これまで国立国会図書館から得られた参考資料等を参照しつつ、日本側から追加的な意見・コメントを得ながら、ベトナム国会図書館内部の業務および外部利用者のサービス向上のためにより良い業務・利用ガイドラインを作成したいとしており、既に作業が始まっているところです。
OJT研修の受入れや現地セミナーへの専門家派遣など、これまで国立国会図書館から多大なる協力をいただいており、これを踏まえて、今後もベトナム国会図書館の能力向上に向け引き続きフォローしていきます。

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国立国会図書館調査及び立法考査局外交防衛課におけるOJT研修時の様子(向かって右側・手前の2名が研修員)

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国立国会図書館調査及び立法考査局国土交通課のOJT研修担当の方々との記念撮影