プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)2020年を目標とする法・司法改革支援プロジェクト(略称PHAP LUAT 2020)
(英)The Project for Harmonized, Practical Legislation and Uniform Application of Law Targeting Year 2020

対象国名

ベトナム

署名日(実施合意)

2015年2月6日

協力期間

2015年4月1日〜2020年3月31日(計5年間)

事業概要

(1)事業の目的

本事業は,ベトナム法務・司法関係機関において,2013年憲法及びベトナムの2020年を目標とした法・司法改革の趣旨に従い,法規範文書の審査能力が強化され,法規範文書の草案が起草されると共に,法規範文書の統一的な運用に向けた助言・指導能力及び裁判・執行実務の能力が向上することにより,適正かつ効率的な法規範文書の運用・適用の基盤が整備されることを図り,もってベトナムの成長・発展を支える社会基盤の構築の促進に寄与するものである。

(2)相手国側実施機関

司法省(MOJ),首相府(OOG),最高人民裁判所(SPC),最高人民検察院(SPP)及びベトナム弁護士連合会(VBF)

(3)プロジェクト文書(PDM)

プロジェクトチーム

(1)長期専門家(チーフアドバイザー)

塚部 貴子(つかべ たかこ)
1993年 九州大学法学部卒
1994年 九州大学大学院法学研究科修了
2000年 検事任官
その後、各地の地方検察庁にて勤務
2014年 法務総合研究所国際協力部教官
2016年 現職

(2)長期専門家

松尾 宣宏(まつお のぶひろ)
2002年 京都大学法学部卒業
2005年 検事任官
その後、各地の検察庁で勤務
2015年 法務省法務総合研究所国際協力部教官
2017年 現職

(3)長期専門家

塚原 正典(つかはら まさのり)
1992年 早稲田大学政治経済学部政治学科卒
1992年 私企業にて勤務
2007年 弁護士登録
2014年 現職

(4)長期専門家

鎌田 咲子(かまだ さきこ)
2003年 早稲田大学法学部卒
2003年 国家公務員一般職採用
2009年 北海道大学大学院法学研究科法律実務専攻修了
2011年 判事補任官・大阪地方裁判所にて勤務
(2015年 サセックス大学法学修士、2016年 シティ大学ロンドン法学修士)
2017年 検事任官・法務総合研究所教官
2017年 現職

(5)業務調整専門家

寺本 二憲(てらもと つぐのり)
1981年 北海道大学工学部卒
その後、北海道及びベトナムの炭鉱にて勤務
1999年 JICA専門家(炭鉱の安全管理)
2011年 現職

(6)客員専門員

グエン・ドゥック・ヴィエット
2012年 ハノイ法科大学卒
2014年 名古屋大学大学院法学研究科卒
2015年 ハノイ法科大学講師(国際私法)

(7)スタッフ

グエン・ティ・トゥ・ハー(専門職員)
1994年 ベトナム国家大学ハノイ校外国語学科
1998年 外国貿易大学
2004年 ベトナム国家大学ハノイ校法学部

レ・カム・フオン(専門職員)
2006年 ハノイ総合大学外国語学科

グエン・ティ・フエン・ニュン(専門職員)
2005年 ベトナム国家大学ハノイ校外国語学科

ダオ・ティ・リエン(職員)

プロジェクト事務所

#502, North Star Building, No.4 Da Tuong St. Hanoi, Vietnam
Tel:(+84)4-3942-6558
Fax:(+84)4-3942-6561

事業の背景

ベトナム政府は1986年のドイモイ政策開始以降,市場経済化への移行を進めており,さまざまな開放政策の一環として市場経済化に対応する法制度の整備を進めてきている。2005年には共産党中央委員会政治局決議48号と49号が発表され,司法改革が具体的に進められてきた。

JICAはベトナムにおいて,1996年より主に民商事関連法案起草支援や法曹人材育成を目的とし,ベトナム法整備支援プロジェクトフェーズ1(1996〜1999年),同フェーズ2(2000〜2003年)及び同フェーズ3(2003〜2007年)を実施した。これらのプロジェクトにおいて起草支援した改正民法は2005年6月に,また民事訴訟法は2004年11月に国会にて可決・成立したほか,法律実務家を対象にした実務マニュアルの共同作成などの成果が着実に生じた。

ただし,整備された法令を執行・運用する現場においては,制定された法令の趣旨が十分理解されていない状況も見受けられ,裁判実務や法執行実務の改善を図る必要があったことから,2007年4月から2011年3月にかけて,MOJ,SPC,SPP,VBFをカウンターパート(C/P)機関とした「法・司法制度改革支援プロジェクトフェーズ1」を実施した。 その後,中央司法関連機関が全国的な課題の抽出や改善策の検討を行えるようになること,及びその一連の活動が中央司法関連機関の業務フローに定着することを目指し,2011年4月より2015年3月まで同フェーズ2を実施している。

フェーズ2終了時評価調査では,C/Pの実務の改善に大きな成果が確認され,特に活動対象地域として選定された地方では,中央と地方の密接な連携に基づく課題の抽出や改善策の検討が行われるようになった一方,他の行政機関(特に地方行政機関)においては,依然として法規範文書の統一的な理解及び運用に問題が見られ,法務・司法関係機関が関与する立案及び運用になお改善の余地があることが確認されたことから,今般,フェーズ2の後継案件として「2020年を目標とする法・司法改革支援プロジェクト」の実施を計画し,これまでの協力の成果を基盤として,ベトナムの司法改革戦略を引き続き支援することを目指すこととなった。

新規プロジェクトでは,2013年に成立した改正憲法に基づく様々な改革や,ベトナムの法・司法改革の目標年である2020年を見据えて,総括的かつ発展的な協力を行っていくと同時に,プロジェクト終了後の新しいパートナーシップの関係の構築を念頭に置いたアプローチをとっていくこととする。また,経済発展を続けるベトナムへの政府開発援助(Official Development Assistance:ODA)に関しては,投資環境整備に向けた貢献が求められているため,新規プロジェクトについては,これまでの4つのC/P機関に加え,OOGを新たなC/P機関として迎え,ベトナムでビジネス活動を行うにあたっての,法・司法分野における阻害要因の縮小化に向けた活動にも新たに取り組むこととする。