科学技術協力プロジェクト「在来ブタ資源の遺伝子バンクシステムの設立と多様性維持が可能な持続的生産システムの構築」が開始されました

2015年7月1日

2015年5月5日、本プロジェクトは5年間の予定で開始されました。ベトナムの在来ブタはその種類が26種いると言われていますが、近年その数が減少し続け、絶滅の危機に直面しています。在来ブタは貴重な経済資源であるとともに、医療動物としての可能性も有しています。本プロジェクトは、減少する在来ブタの品種を保存する為に遺伝子バンクを設立し、その貴重な遺伝資源を有効活用する方法を探索します。

活動の本格的な開始を前に、2015年6月22-26日、ベトナム側カウンターパートであるベトナム国立畜産研究所において、今後5年間の活動計画の確認を行うべく、日越両国の9つの研究機関の関係者が一同に参集しました。5日間のキックオフ・ワークショップでは、プロジェクトの成果ごとにグループを編成し、活動の詳細や日程、日越の各研究機関の役割、モニタリングや報告の方法などについて協議、確認しました。

ワークショプの開会式は、国立畜産研究所代表Dr. Nguyen Thanh Son、生物工学研究所所長Dr. Chu Hoang Hah、ベトナム農業大学副学長 Prof. Nguyen Xuan Trachをはじめ、JICA事務所からの参加も得て行われました。複数の研究機関の異なる科学技術の専門的知見をもとに実施される本プロジェクトにおいては、組織の枠を越えた 効果的な協力関係を構築することの重要性が改めて認識され、両国関係者は本プロジェクトの実施に向けて、新たな意欲をみせていました。

6月26日にはプロジェクトのモデルサイトとなるホアビン省を訪問、同省家畜水産改良センターをはじめ、在来ブタ飼育農家を訪れ、現状視察を行うとともに、今後のプロジェクト活動の進め方を検討・協議しました。

本ワークショップの結果、2015年度のプロジェクト活動計画表が改訂され、来る第1回プロジェクト合同調整委員会の承認を経て、本格的な活動が開始される予定です。

(文責 山岸信子、プロジェクト業務調整員)

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ホアビン省家畜水産改良センター視察(2015年6月26日)

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キックオフ・ワークショップにて、ホアビン省でのモデル農家支援の活動について協議(2015年6月23日)

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生物工学研究所の実験室視察(2015年6月22日)