その2 医療動物としての在来ブタに注目!!

2015年8月1日

iPS細胞技術の発展とともに、在来ブタはヒトの臓器に近いことから、移植用代替臓器の提供動物として注目されています。理論的には、iPS細胞から、ブタの体を使って、人間の臓器を作ることが出来るというわけです。一方で多くのブタは、ヒトへの感染が懸念されるブタ内在性レトロウィルスに感染していることから、移植用代替臓器としては適さないこともわかっています。ブタ内在性レトロウィルスに感染していない在来ブタから、あるいは感染程度の低い在来ブタが発掘できれば、DNAマーカー育種法を活用して、ブタ内在性レトロウィルスに感染していない医療用ブタを育種・生産できる可能性があります(注)。

これまで在来ブタにおいては、ブタ内在性レトロウィルスに未感染のブタが存在するか否かの調査がなされていないため、プロジェクトでは医療動物として適切な在来ブタの発掘を行います。

(注)ブタ内在性レトロウィルスに感染していない、あるいは感染程度の低い在来ブタのDNAマーカー(個体を識別するための目印としてのDNAの並び方の違い)を用いて、ブタ内在性レトロウィルスに感染していないブタを生産することが可能であるということ。