「ホアビンにおける在来ブタ農家の生産性改善」予備試験

2015年9月10日

本プロジェクトは、ベトナム優良在来ブタを探索・評価し、それを活用する為の保全システムを構築することを目的としています。活動のひとつとして、ホアビン省の現場で、在来ブタの生産性改善に取り組みます。

ベトナムの養豚農家は、在来ブタは飼養効率が低いという理由で、生産性向上のために西洋品種の導入と在来品種との交雑を行っていますが、他方で在来ブタの食肉としての品質は良く、市場価値も高いものとなっています。在来ブタの食肉生産の効率を上げ、在来ブタ飼育農家の収入の増加に貢献することができれば、農家も無秩序に交雑を行うことはしないと考えられます。

こうした背景から本プロジェクトでは、ホアビン省において、 授乳中の在来種の母親と子豚に特定の飼料を給与することによって、子豚の発育を促進し、通常であれば6ヶ月程度で離乳するところを、4ヶ月に短縮出来ないか実験します。子豚が早く離乳することによって、母ブタの次の発情期を早めることができれば、一年あたりの妊娠出産回数を増やすことができ、結果として在来ブタ飼育農家の生産性が向上し、収入の増加に繋がると考えられます。

9月3-5日にかけて、両国研究者はホアビン省を訪問し、在来ブタを飼育する農家を3軒選定しました。3軒のうち1軒の農家で、授乳中の子豚に、より栄養価の高い飼料を給与、他の2軒の農家との比較を行います。試験期間は11月から6ヶ月を予定しており、その間、体重と身長を測定し、発育の違いを観察するとともに、授乳期間の短縮を実証していきます。

(文責 山岸信子、プロジェクト業務調整員)

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