第2回合同調整委員会会議の開催と比較食味試験の実施

2016年6月3日

2016年6月3日、第2回合同調整委員会会議(JCC)が、在ベトナム日本国大使館、JICAベトナム事務所、 農業農村開発省、ホアビン省農業農村開発局をはじめとする関係省庁、日越研究者の参加を得て開催されました。会議では、第1回JCCからの進捗報告を中心に、サンプリング活動、ホアビン省でのモデル農家活動、ラボでの分析進捗についての報告がなされました。

第2回JCCのハイライトは「比較食味試験」でした。

プロジェクトでは、ホアビン省の実験農家において昨年9月より飼育実験を行いました。同じ母豚から産まれた子豚を2つのグループに分けて異なる飼料を給与し、発育成績や離乳の早さを計り、生産性向上へ向けた適切な飼育方法を検討することが目的です。今回行った比較食味試験は、異なる飼料により飼育された子豚の食味を検査する目的で行われ、JCC出席者には2頭の豚肉(A肉、B肉)を試食、比較したうえで「豚肉官能試験シート」に記入してもらいました。比較食味試験の結果からは、離乳期市販飼料を混合して給与した子豚の食味(試験飼育法)より、慣行飼育法により飼育した子ブタの食味を好む傾向がみとめられた一方で、発育成績の観点からは、より多くの栄養摂取を行うことにより生産性が高まることが明らかになっています。

今回行った比較食味試験は、わずか1頭ずつの比較であり、ここから広く教訓を導くものではありませんが、プロジェクトでは、差別化された豚肉の商品化も視野に入れつつ、どのような飼料を用い、どのように飼育する事が、生産性の向上につながり、なおかつ持続可能性の高い飼育方法であるか、継続して検討して行きます。

(文責:山岸信子、業務調整員)

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プロジェクトマネージャ、Prof. Cuongによるプロジェクト進捗報告

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同じように調理された2種の豚肉の比較食味試験