2月20日〜3月18日、ベトナム側研究員が日本へ短期研修に行き、胚の超低温保存技術を学びました

2017年4月1日

本プロジェクトの成果の一つに「ベトナム在来ブタの体外胚生産と卵ならびに胚の超低温保存技術の開発」という課題があげられています。今回の短期研修は、胚の超低温保存技術を習得する目的で実施されました。

研修では、胚の超低温保存におけるCryotop法とMicrodrop法を比較する目的で実験を行いました。まず、と殺したランドレース種の卵巣から未成熟卵を回収し、体外成熟させ、胚を発生させました。次に、2種類のガラス化冷却法を用いて、二つの異なるステージの胚(胚盤胞と受精卵)を超低温保存し、加温後の体外成熟ならびに体外発生の有効性を確かめました。結果は、受精卵ではCryotop法とMicrodrop法のどちらも高い生存率を示しましたが、胚盤胞ではCryotop法のほうが高い生存率を示しました。

今後は、今回学んだ技術を在来ブタに適用し、卵の核の成熟状況や発生に影響を及ぼす培養法(体外発生に最適な培養液や耐凍剤の選択等)を詳細に調べ、その特徴を把握し、在来ブタに適した手法を確立させていきます。

(文責、山岸信子、業務調整員)

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加温後に再拡張しガラス化冷却胚盤胞

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ガラス化冷却・加温し受精卵を培養後に選別した胚盤胞

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農研機構、生物機能利用研究部門にて研修中のDr. Nguyen Khanh Van