人工授精ワークショップを開催しました

2018年10月11日

2018年10月10~11日、ホアビン省人工授精センターにおいて、在来豚の人工授精ワークショップを開催しました。ワークショップにはホアビン省で人工授精を担う技術者らが参加し、在来豚の精液に最適の希釈液を選定するために、精液を採取し濃度を測定し、運動性を確認しました。日本側チームからは人工授精専門家が参加し、人工授精用の精液を調整・利用するための技術や品質管理について、ベトナムの技術者たちを指導しました。

ベトナムでは西洋豚の人工授精は行われていますが、在来豚の人工授精はまだ普及していません。西洋豚は通常豚舎の中で繁殖管理されますが、在来豚は農家が半放牧状態で飼育しているケースが多く、自然交配に任せているためです。しかしその一方で、種豚が少なく、効率の良い繁殖には人工授精技術の導入が欠かせないと考えます。在来豚はその飼育方法から、人に触れられることに馴れておらず、人工授精の普及には課題も残されていますが、プロジェクトではまず適切な精液が調整できるように予備的な実験を重ねていきます。

今回のワークショップでは、採取した精液を市販の希釈液で希釈し、事前に発情の同期化を行った雌豚に、市販のカテーテルを使用し人工授精を行いました。授精そのものは成功し、妊娠していれば、来年1月末には出産となります。

今後実験を継続し、在来豚に適した希釈液を選定し、人工授精用精液の調整を行い、ホアビン省のモデル地区の養豚農家において実際に人工授精を行うことを検討しています。

(文責:山岸信子、業務調整員)

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手順を念入りに確認するワークショップ参加者

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擬牝台を使って精液採取を行う

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希釈した精液で人工授精を試みる