第3回胚移植実験を行いました

2018年10月17日

2018年10月17日、3回目の胚移植実験を行いました。今年6月と8月に実施した実験同様、ランドレースの体外成熟卵と在来豚の凍結融解精子を体外受精させた受精卵(Zygote)を用いて、ランドレースの雌豚に外科的移植試験が行われました。これまで2回にわたる実験でベトナム側に技術移転が行われてきましたが、今回はその3回目です。

3頭のランドレースの雌豚は事前にホルモン剤を投与して発情同期化を行い、準備しましたが、ホルモン剤を用いた発情同期化は容易ではなく、微妙なタイミングのずれによって、母体(レシーピエント豚)の受胎能力が大きく作用されます。今回の移植対象となった3頭のランドレースの状態も完璧とは言えず、受胎と産子出産には課題が残りました。今後母体の状態に応じた方法を適応する必要があります。

今回の実験では、日本から来越した体外受精専門家2名がベトナム人技術者の指導を行い、手順や手法を一つ一つ確認しながら、移植を行いました。3回目の今回の移植実験をとおして、外科的移植の技術がベトナム側にしっかり移転されていることが確認されたことは、プロジェクトにとって大きな収穫となりました。今回を以て実験を終え、来年からは在来豚由来の受精卵を用いて移植を試みる計画です。

(文責:山岸信子、業務調整員)

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レシピエントの雌豚の準備をするベトナムチーム

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受精卵の準備をする

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外科的移植を行う日本チーム