プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)「国としての適切な緩和行動(NAMA)」策定及び実施支援プロジェクト
(英)Project to Support the Planning and Implementation of NAMAs in a MRV Manner(SPI-NAMA)

対象国名

ベトナム社会主義共和国

署名日(実施合意)

2014年6月12日

協力期間

2015年2月1日から2020年1月31日(計60ヶ月)

相手国機関名

天然資源環境省(MONRE)/気候変動局(Department of Climate Change:DCC)

背景

ベトナムでは急速な経済成長を遂げた1990年から2006年の間にエネルギー需要(最終消費量)が約5倍に増加しており、これに伴い温室効果ガス(GHG)排出量が増大している。2020年までの工業国化を目指すベトナムでは、経済成長と都市化により今後もGHG排出量の大幅な増加が予測されており(図)、排出削減(緩和)のための国内体制の整備や対策の実施が喫緊の課題となっている。

図:ベトナムの2010年GHG総排出量と2020年・2030年の排出量推計

【画像】

(出典:ベトナム政府隔年報告書)

ベトナム政府は気候変動対策にかかる包括的な取組み方針として、2008年12月に国家気候変動対策目標計画(NTP-RCC)、2011年12月に国家気候変動戦略(NCCS)を策定し、天然資源環境省(MONRE)を主管官庁と定めた。また、2011年には国家社会経済開発戦略としてグリーン成長戦略(NGGS)を打ち出し、計画投資省(MPI)主管のもとで実施を進めている。続く2012年11月にはMONREはGHG排及び炭素クレジット管理に関する首相決定(1775/QD-TTg)を発出し、MRVの策定を含めた対策を進めていく方針を打ち出している。

一方、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国会合(COP)において、途上国を含む非附属書I国は「国としての適切な緩和行動(NAMA)」の策定と提出、測定・報告・検証(MRV)の実施、および隔年報告書(Biannual Updated Report)の作成が求められていた。

これらの動向を踏まえ、ベトナム政府は2011年1月に、MONREが各省庁と調整しつつNAMAの策定を進めることを決定したが、MONRE及び関係機関においてはNAMAの策定・実施に必要な知見や能力が不足しており、国内体制の構築を含めた準備が進んでいない状況である。関連して2015年9月にはベトナムは2020年以降の緩和目標を定めた約束草案(INDC)を策定・提出したところ、国内においては2020年以降の枠組みの下での緩和目標の実施を念頭においたNAMAの策定と体制構築を求められている。

かかる状況に照らし、本事業はベトナムにおいて、NAMAの計画・実施に関する関係省庁の能力強化を進め、またMONREのNAMAの管理に係る能力向上を図ることにより、ベトナムにおいて測定・報告・検証(MRV)の仕組みを包含する形でNAMAが実施・促進されていくこと、ひいては2020以降の枠組みへの移行のための基礎基盤の構築に寄与するものである。

目標

上位目標

ベトナム政府がMRV可能なNAMAを計画し実行できるようになる。

プロジェクト目標

ベトナム政府のNAMAの計画・実施に係る能力が強化される。

成果

【成果1】MONREがNAMAの策定・実施を進めるための調整能力が強化される。
【成果2】関係省庁と地方自治体がNAMAを計画・実施するための能力が強化される。

活動

活動領域1:MONREによるNAMA開発・実施を進めるための調整能力強化
1-1. NAMA関連の政策・戦略・法文書をレビューする。
1-2. MONREのNAMA管理・調整にかかるニーズ及びギャップを特定する。
1-3. GHG排出最小化ロードマップに関する検討調査と提案を行う。
1-4. NAMAの国家レベルMRV手順に関する検討調査と政策提言を行う。
1-5. NAMAデータベース・レジストリに関する検討調査と政策提言を行う。
1-6. GHG排出最小化ロードマップ、NAMAの国家レベルMRV手順、NAMAデータベース・レジストリに関するワークショップ、研修、広報を行う。
1-7. 緩和行動の実施における低炭素技術の選択肢を評価する(INDC、フロンガス)

活動領域2:低炭素都市型NAMAのパイロットを通じた関係省庁・地方自治体の能力向上
2-1. MRV能力強化の対象となるパイロット地方自治体を選定する。
2-2. パイロット地方自治体においてNAMA/MRVおよびGHGインベントリに関する情報を収集する。
2-3. パイロット地方自治体においてGHGインベントリを準備する。
2-4. パイロット地方自治体においてNAMAのMRVを試験運用する。
2-5. パイロット地方自治体においてNAMA/MRVおよびGHGインベントリに関する様式を提案する。
2-6. 地方自治体を対象としたGHGインベントリおよびNAMA/MRVに関する研修およびセミナーを開催する。
2-7. 関連各省を対象としたNAMA策定方法/NAMA実施方法/MRVに関する研修・セミナーを開催する。

投入

日本側投入

  • 長期専門家2名(総括、気候変動政策・緩和行動/業務調整)
  • ホーチミン市短期専門家7名(総括、エネルギー、交通、廃棄物、GHGインベントリ、業務調整)
  • 低炭素技術ニーズ短期専門家10名(総括、副総括、エネルギー1、エネルギー2、交通、農業、LULUCF、廃棄物、Fガス、業務調整)
  • ローカルコンサルタント・アシスタント
  • 本邦研修
  • 現地国内研修

相手国側投入

  • カウンターパート配置(MONRE気象水文気候変動局(DMHCC)(2017年より気候変動局(DCC)に改称))
  • 協力機関(NAMA関係省庁・機関、ホーチミン市人民委員会、DONRE気候変動局(HCCB))
  • プロジェクト実施に必要な既存施設・機器・設備・情報・データ