コーヒー品評会で見事入賞!

2016年3月30日

当プロジェクトには4つのコンポーネントがあり、そのうちコンポーネント3はユネスコにより昨年エコパークに指定されたラムドン省のビズップ・ヌイバ国立公園を中心とした地域の生物多様性保全を目的としております。同コンポーネントでは、1)住民を含む、全ての関係者の参加による同エコパーク管理の仕組み作り、2)同エコパーク内におけるコーヒー栽培の改善及び金融サービスの提供等による対象村落住民の生計向上、及び同住民の参加するエコツーリズムの展開等による、住民との自然資源の協働管理の仕組み作り、3)森林・生物多様性モニタリング手法の開発とモニタリング結果を同エコパークの適切な管理に活用する仕組み作りに取り組んでいます。
ベトナムは世界第2位のコーヒー豆の輸出国であり、同エコパーク内にも、多数のコーヒー栽培農家が存在しますが、細々とコーヒーを栽培しつつ、自然由来の資源に頼った生活を送る非常に貧しい住民(K’Ho少数民族)も多数おり、そうした方々の生計向上を図ることは、同エコパークの適切な管理のために非常に重要です。
当プロジェクトではそうした農家に対して、1)化学肥料から有機肥料への転換等を通じた生産コスト及び環境負荷の低減、2)品質の向上及び適正な価格での販売を通じた付加価値の高いコーヒー生産を目指した活動を進めており、今回の品評会への出品も上記活動の一環として行われました。
同品評会は日本の民間企業とそのパートナー企業により同省ダラット市内で3月に開催され、主催者により認められた品質のコーヒーを900kg提供することが出来た50戸(グループを含む)の農家が出品しました。当プロジェクトからは3戸の農家が1つのグループとして参加し、見事最終選考の15戸に残りました。最終選考ではプロの審査員に3時間かけてその味や香り、品質等を審査され、その結果、当プロジェクト参加農家は11位に入賞しました。
同参加農家は、プロジェクトの本格的な支援が始まった1月からわずかの時間に、主催者が求める品質・数量を生産しなければならなかったことから、参加だけでもハードルが高いと考えられており、その中でこの入賞という素晴しい結果は、全ての関係者に大きな喜びとなりました。
この結果は、同農家だけでなく、品評会の様子を見守っていた対象村落の農家にとっても大きな励みとなりました。品評会では、前年に上位入賞した農家のコーヒーが企業と直接、高額で取引され、日本でも販売されていることが紹介されましたが、現状は仲買人に安値で買い叩かれている農家も、コーヒーの品質向上に取り組むことでこのような成果に繋がることを実感できたのではないかと思います。
当プロジェクトでは、引き続きより多くの農家の直取引参加への参加を促すとともに、同取引に不可欠のコーヒー収穫後処理技術の向上等を行っていく考えです。

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コーヒー品評会の審査の様子

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審査の行方を見守る、プロジェクト活動に参加しているコーヒー農家の方々