第二回ランビエン生物圏保護区管理委員会総会が開催されました−協働管理による生物多様性の更なる保全を目指します−

2016年11月28日

2016年11月28日にラムドン省ダラット市にて、省・郡・コミューン人民委員会関連機関、森林所有者、地元村落代表(K’Ho族)、観光・農業セクターの民間事業者を含む約70名参加の下、第二回ランビエン生物圏保護区管理委員会(LB-BR MB)総会が開催されました。
本総会は、LB-BRのコア及びバッファーゾーンの森林生態系保全ツールとして期待されている地元住民と行政等による協働管理(CM)の実現に向けた提案及び意見交換を主な目的に行われました。LB-BR MB事務局による2016年の主要な活動報告が行われた後、協働管理体制の改訂(注)に係る、a)基本コンセプト, b)2017〜2019年にかけて試行するパイロット活動の実施ガイドライン, 及びc)パイロット活動全体計画を当プロジェクトから説明・提案し、LB-BR MBより基本的な承認を得ました。さらに、LB-BRの総合的な協働生態系管理システム構築に向け、その持続的保全・管理に関与する多様なステークホルダーの抱える課題等を共有・議論する場として「CMプラットフォーム」設立を当プロジェクトから提案し、承認を得ました。
意見交換では、上記、協働管理体制の改訂及びCMプラットフォームの方向性が概ね支持され、関係者間での共通認識を確認できました。また、当プロジェクトでは少数民族であるK’Ho族の方々が生産している産物等に対してロゴを活用したブランディングの活動を行う考えですが、複数の参加者よりその重要性が主張されたことを受け、先行してブランディング活動に取り組んでいる、カットバ生物圏保護区の参加者より知見共有がなされる等、参加者にとっても有益な議論の場となりました。
なお、今回は上記ブランディング活動に向け、まずは地域の方々に地元産品の良さを理解して頂こうと、本会場に特設ブースを設置し、生産者であるK’Ho族の方々に地元の代表的な産物を紹介して頂き、参加者へ試食の提供を行いました。新しい試みではありましたが、同族及び参加者から大好評を博しました。
LB-BR設立は、少数民族が代々守ってきた文化や地域独自の資源が持つ価値を関係者間で見つめ直す好機と捉え、引き続きこのような情報発信の場を設け、今後の活動につなげていくことを目指しています。
次回の総会は2017年4月中旬に開催する予定です。

(注)先行プロジェクト「ビズップ・ヌイバ国立公園管理能力強化プロジェクト」において構築された協働管理体制をベースに、当プロジェクトではより効果的な実施体制への改訂を目指しています。

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小田専門家による協働管理体制の改訂に係る説明

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全体ディスカッション

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K’Ho族の地域住民によるLB-BRの地元産品の紹介1)(コーヒーの焙煎実演)

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K’Ho族の地域住民によるLB-BRの地元産品の紹介2)(柿、タロ芋、パッションフルーツ等)

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K’Ho族の地域住民によるLB-BRの地元産品の紹介3)(トウモロコシ、バナナ、きのこ、薬草、伝統織物等)

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K’Ho族によるトウモロコシを用いたローカルワイン作成プロセスに係る情報収集/実演の様子。収集した情報の一部はパネルに取り纏め、特設ブースにて紹介がされました。