第三回ランビエン生物圏保護区管理委員会総会が開催されました

2017年7月4日

2017年7月3日、ラムドン省ダラット市にて第三回ランビエン生物圏保護区管理委員会(LB-BR MB)総会が開催されました。本総会では約50名を越える参加者の下、主に以下3つの議題について協議が行われました。
(1)LB-BR 5カ年管理計画(2018〜2022)
(2)マーケティング戦略及びLB-BRのロゴデザイン
(3)協働管理に係る活動進捗

(1)LB-BR 5カ年管理計画(2018〜2022)

LB-BRにおいて、将来に渡り豊かな自然環境が守られ、その自然と調和した地域社会の持続的発展が実現されるには、多様な主体による分野横断的な取組みが必要不可欠です。そのため、管理運営体制の構築は重要な課題のひとつであり、本プロジェクトでは管理運営に係る指針及び主要活動項目を示した5ヵ年管理計画策定支援を進めています。本総会では同管理計画案の説明、及び最終化に向けた協議が行われました。参加者からは、生物圏保護区の概念を適切に理解するため、先進事例から学ぶ機会や各種研修プログラムを組み込む必要性、また、同管理計画を公式に承認するためベトナムのユネスコ人間と生物圏委員会からの制度的支援の重要性が提起されるなど、具体的コメントが多々ありました。

本総会の結果を踏まえ、同管理計画案は既にLB-BR MBによって最終化され、現在はラムドン省人民委員会にて承認手続きが進められています。

(2)マーケティング戦略及びLB-BRのロゴデザイン

LB-BRは登録されて日が浅く、対外的な認知度はまだ高くはないのが実情です。そのため、本プロジェクトの支援を受けて策定されるLB-BRのマーケティング戦略では、1)LB-BRが持つ豊かな生態系及び文化的な価値を踏まえた「LB-BRブランド」を確立し、その認知度を高めること、2)同ブランドコンセプトと合致する事業や商品に対してLB-BRロゴの使用を認めるなどのプロモーション活動を実施するための戦略策定を進めています。本総会では、同戦略の骨子、ブランディング候補となる事業及び商品、及びロゴデザイン候補の提案が行われました。

また、会場にはブランディング候補である柿・コーヒー・国立公園周辺の天然水などが包装された実際の商品に近い状態で展示され、それを見ながら参加者達は積極的に意見を交わしていました。ロゴデザインはその意見等も踏まえ最終化される予定です。

(3)協働管理に係る活動進捗

LB-BRの持続的保全と管理の重要なツールの一つとして、本プロジェクトでは森林所有者(ビズップ・ヌイバ国立公園など)・地域住民・コミューン人民委員会の間での自然資源の協働管理に係る活動を進めており、本総会ではその進捗報告も行われました。協働管理は、既にベトナムで広く実施されている生態系サービスへの支払い制度(PFES)の下で地域住民が森林所有者との森林保全契約に基づき実施している森林パトロール活動の効果を高めること及び同住民の生計向上を図ることなどを通じ、自然資源の保全を進める仕組みで、現在各種活動のトライアルが行われています。特に、本総会ではドローンを用いた同契約林地内の森林パトロール活動の改善、林地と農地の境界明確化に係る活動、生計向上支援活動などを中心にこれまでの進捗及び実施上の主要な課題の報告が行われました。

年に2回開催されるLB-BRMB総会では関係者が一堂に会して多岐に渡る活動の進捗及び課題を認識し、活動を推進させるための重要な意見交換・決定の場となっており、次回の総会は2017年11月下旬開催予定です。

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全体討論の様子

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マーケティング戦略及びロゴデザインに係るプレゼンテーション

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LB-BRのブランディング候補の展示

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休憩時間に提供された対象村落からのコーヒー豆を焙煎したコーヒー

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LB-BRのブランディング候補である天然水をサンプルボトルに入れて展示