ランビエン生物圏保護区における生物多様性モニタリングシステム構築に向けたワークショップ開催が開催されました

2017年9月1日

2017年8月31日、ラムドン省ダラット市にて農業農村開発省副大臣や天然資源環境省生物多様性保全局長等の中央政府からの関係者も参加の下、ランビエン生物圏保護区(LB-BR)における生物多様性モニタリングシステム構築のためのワークショップが開催されました。日本ではユネスコエコパークと呼ばれている生物圏保護区においては、生物多様性保全は最も重要な柱のひとつであり、特に、ベトナムでも有数の豊かな生物多様性に恵まれているビズップヌイバ国立公園を中心としたLB-BRコアゾーンを保全するためには、適切な生物多様性モニタリングの実施が不可欠です。

当プロジェクトでは、生物多様性モニタリングシステム構築のため、2016年5月より衛星画像を用いた植生図の作成及び動植物相、哺乳類、昆虫類、両生類、魚類に係るベースライン調査を雨季/乾季に計3回実施してきました。今回のワークショップではその結果をふまえ、生態系の変化を把握する目安となる指標種の選定及び同モニタリング手法に関する検討が行われました。特に、指標種の選定に当たっては、生息・生育環境の変化に敏感であること、同モニタリングの実施者として想定されている森林レンジャーや地域住民にとっても容易に特定できること等、様々な選定基準が話し合われました。今後、同ワークショップにおける議論の結果をベースに、予算やモニタリング実施体制面など総合的に検討して最終化を図っていく予定です。

ワークショップにおいては、JICA国際協力専門員(自然環境保全)の阪口氏から、環境省のモニタリングサイト1000等、日本の生態系モニタリングの事例紹介があり、参加者が日本の取り組み及びその考え方に対する理解を深めるとともに、今後の検討に向けた良い参考材料にもなりました。

プロジェクトでは2017年10月末を目標に生物多様性モニタリングシステムを最終化し、その後、実施者を対象としたマニュアル策定及び研修実施を進めていく予定です。

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ワークショップの様子

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JICA国際協力専門員 阪口氏による日本での生態系モニタリング(モニタリングサイト1000)に係る取り組みの紹介

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MARD副大臣 Ha Cong Tuan氏による挨拶

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当プロジェクト樫尾専門家による生物多様性モニタリングに係るプレゼンテーション

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集合写真