タブレットPCを使用したモニタリング手法の更なる広がりを期待!−他ドナーの森林プロジェクト担当者向けPFMSセミナーを開催−

2018年4月3日

2018年4月3日、当プロジェクトのカウンターパート機関である農業農村開発省の森林プロジェクト管理委員会(MBFPs)にて、当プロジェクトが開発したタブレットを使用した森林モニタリング手法(PFMS:Provincial Forest Monitoring System)を紹介するセミナーが開催されました。このセミナーはMBFPsから要請があり開催されたもので、PFMSをMBFPsが管理する世界銀行やドイツ開発銀行、USAID等他ドナーが実施する森林プロジェクトへの導入を検討することを主題としています。各プロジェクトの担当者等総勢30名近くが参加し開催されました。

PFMSが、いかに優れて実践的な手法であったとしても、いきなりそれを全63省へ展開することはJICA単独の努力だけでは難しいため、他のプロジェクトがパイロット活動を実施する省を足掛かりに展開することは、PFMSの国家標準化とベトナム全土への導入を最終目標としている当プロジェクトとしても、大きなメリットとなります。

セミナーでは当プロジェクトのPFMSの専門家から概要が説明された後、参加者間での意見交換が行われました。

参加者からは、森林モニタリングにタブレットを利用するための法的な根拠、タブレット購入のコストや、技術的な課題等、実際の導入を検討する際に想定される懸案に関する意見が多く出されました。それらに対してプロジェクトからは、導入に際するコストは当然必要だが、森林モニタリングに必要な機器を単独で揃えるよりも低コストであること、データの集計が従来の方式よりも簡易になり、かつ集計ミスも少なくなること、技術的な課題に対しては当プロジェクトにおける研修を通じて技術者が育ってきており、必要に応じてアドバイスを受けられる体制が構築されつつあることが紹介されました。

プロジェクトの成果が一過性のものでなく、支援国の政策として根付くことが重要であることは専門家皆が認識しつつも、それは時間がかかり、難しいことでもあります。こうした普及に向けた地道な活動の積み重ねが大きな成果に繋がると信じて、今後も活動を続けたいと思います。

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主催者のMBFPsを代表して、Mr.Hung氏によるオープニングスピーチ。セミナーにはMBFPsの他ドナーの森林プロジェクトの担当者等30名近くが集まりました。

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当プロジェクトのPFMS専門家、Thanh氏のプレゼンテーション