第五回ランビエン生物圏保護区管理委員会総会が開催されました。

2018年4月19日

2018年4月19日にラムドン省ダラット市にて第5回ランビエン生物圏保護区管理委員会(LB-BR MB)総会が開催されました。本総会では約70名を越える参加者の下、下記のとおり多岐にわたる議題を中心にプロジェクト活動の報告及び協議が行われました。

(1)LB-BR 5カ年管理計画

同管理計画の概要は第4回総会でも説明されましたが、近日中にラムドン省人民委員会(PPC)により正式に同計画が承認予定であることを受け、LB-BR副議長のLe Van Huong氏より改めて、承認後の関係機関に求められる具体的手続きに焦点を置いた説明が行われました。今後、作業部会にて、関係機関とともに年間計画策定及び実施支援を進めていきます。

(2)協働管理プラットフォーム及び官民及び住民協働による牛舎改善を通じた堆肥生産

協働管理プラットフォーム(CMP)は、LB-BR MBの承認により、LB-BR域内の課題を省政府機関、民間企業及び住民等関係者の協働によって効果的に解決するための場として、2018年1月に設立されました。本総会では、CMPの概要、及びCMPでの協議に基づき現在実施中である「牛舎改善による牛糞を活用した堆肥生産及びその適切な利用による生計向上活動」の概要がLac Duong 郡の担当者から説明されました。個々の行政機関の予算や知見には限りがありますが、関係機関が協働で実施することにより大きなインパクトを目指し、共通の課題に向けて取組む事例として、参加者から高い関心が示されました。

(3)協働管理合意書に基づく活動進捗及び2020年までの方向性

当プロジェクトでは、LB-BRの持続的保全と管理の重要な活動の一つとして、森林所有者(ビズップ・ヌイバ国立公園など)・地域住民・コミューン人民委員会で協働管理合意書を締結し、PFESパトロール改善を中心とした森林保全体制強化に係る活動を行っています。本総会では、各種活動の成果及び2020年までの方向性に係る報告が行われました。今後、対象村落内2か所にて実施されてきた同合意書に基づく各種活動を関係者間でレビューし、新規5か所での活動含め、活動計画策定/実施/モニタリングの支援を進めていきます。

(4)生物多様性モニタリングシステム

ビズップヌイバ国立公園を中心としたLB-BRコア及びバッファーゾーンにおける生物多様性モニタリングシステム構築のため、当プロジェクト支援の下、植生図作成、動植物相/哺乳類/昆虫類/両生類/魚類に係るベースライン調査、及び同調査結果を踏まえた指標種の選定基準及び同モニタリング実施手法の検討が進められてきました。本総会では、これまでの検討を踏まえた生物多様性モニタリングシステムの概要及び、2018年/2019年に予定する同国立公園事務所による同モニタリングの実施に向けた支援活動について、説明が行われました。

(5)環境教育プログラム

環境教育活動の推進による、自然の保全・持続可能な利活用への理解の増進、及び次世代の育成に貢献することは、BRの重要な責務のひとつです。当プロジェクトでは、LB-BRにおけるベトナムの中学生向け環境教育プログラム策定支援を進めており、4月6日から8日にかけて行われた二泊三日のパイロットツアーの結果を踏まえ、活動成果が報告されました。本プログラムは”Art-Nature-Fun”をコンセプトに位置付けた自然体験プログラムであり、BRにおける環境教育活動のひとつのモデルとして、参加者からも注目を集めました。

意見交換の場では、UNESCOベトナム、MABベトナム、農業農村開発省等及びLB-BR域内の出席者より、各種プロジェクト成果をベトナムにおける優良事例として、同国の他地域とも共有し、普及を進めてほしい、との発言がありました。当プロジェクトとしても、まずはLB-BR域内における活動の定着化に注力しつつ、その成果を今後広く発信していきたいと考えています。

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協働管理プラットフォームに係るプレゼンテーション

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設置されたブースにて、LB-BR域内の民間企業(コーヒー、マッシュルーム等)の商品展示

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LB-BR MB議長 Pham S氏による閉会挨拶