医療機関職員向け情報管理能力強化研修を実施

2019年4月18日

2019年3月下旬に北部クアンニン(Quang Ninh)省、及び南部ドンナイ(Dong Nai)省にて、医療機関職員に向けた情報管理能力強化研修を実施しました。

ベトナムでは、医療機関が取り扱う診療情報や請求情報の電子化が徐々に進んできています。医療機関から審査支払機関へ提出される健康保険請求書についても、電子的に送信される仕組みが整いつつあります。

一方で、医療機関の現場で日々業務を行う職員は、診療や治療、看護の知識は有しているものの情報管理やセキュリティに関する知識・スキルを十分に有していないことが課題となっています。診療情報や請求情報といった患者の個人情報にあたる機微な情報は厳重な取り扱いが必要となります。同時に、これらの情報は医療政策を議論、決定するベースとなる重要な情報でもあります。

今回、医療機関の現場で業務を行う職員にとって身近だが理解が不足していると想定されるテーマ、「健康保険の実務に関連する法律、決定、通達」、「医療サービスリスト、薬剤リスト等のマスターコード」、「請求情報の作成、審査支払機関への送信」、「情報セキュリティ」を設定し、特に誤りが発生しやすいケース等を中心に研修を行いました。

クアンニン省、ドンナイ省とも、医療機関経営者や総務部(General Planning Department:GPD)、IT部等から予定を超える70名程度が受講し、受講者からは積極的な質問やコメントが出されました。日々、健康保険請求業務に取り組んでいる職員からは、適切にデータを扱う方法の理解が深まったとの声が聞かれました。また病院経営者からは、本研修のコンテンツを自病院の研修にも活用したいとの発言がありました。

一方で、請求リジェクトの理由は様々であるにも関わらず責任を一部の担当者(IT部)のみに帰すケースがあげられ、経営者側が組織横断的な問題解決の枠組みを作ることが課題としてあげられました。また情報セキュリティに関しては、病院経営者、現場担当者とも認識が低く、まずは経営者が情報管理、情報セキュリティの重要性を理解したうえで、病院ごとのセキュリティポリシー、実施手順を作成していくよう保健省から指導がありました。

今後、今回の2地域から得たフィードバックを踏まえ、保健省が他地域に横展開していくための計画策定を支援していきます。

【画像】

クアンニン省・省病院の研修会場(2019年3月22日~23日)

【画像】

理解度を把握する確認テストを受ける受講生(2019年3月22日~23日)

【画像】

研修テキスト、ハンドブック

【画像】

ドンナイ省・省病院の研修会場(2019年3月29日~30日)