プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)被害者支援及びカウンセリングのための人身取引対策ホットライン運営強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening the Operation of Hotline for Counseling and Supporting Trafficked Survivors

対象国名

ベトナム

署名日(実施合意)

2017年7月26日

プロジェクトサイト

地域コールセンター(ハノイ市、アンザン省、ダナン市)及びベトナム全国

協力期間

2018年11月19日から2021年11月18日(3年間)

相手国機関名

(和)労働傷病兵社会省
(英)Ministry of Labor, Invalids and Social Affairs(MOLISA)

背景

ベトナムでは、ドイモイによる市場経済導入後、経済発展が進む一方で地方と都市部の格差が拡大し、国内外の人の移動に伴い人身取引被害が深刻化している。ベトナム政府は、2004年に人身取引対策国家行動計画(以下「国家行動計画」)を策定し、法政策、予防、取り締まり、被害者の社会復帰支援の分野において様々な取り組みを実施してきており、2015年12月には第3期国家行動計画を制定した。また、カンボジア、タイ、ラオス、中国といったメコン地域や周辺の各国との二国間協定の締結にも取り組み、法的枠組みは徐々に整いつつある。その一方で、被害は年々増加傾向にあり、被害の予防や被害者への支援において、さらなる取り組みが求められている。

JICAは2009年~2011年まで、女性連合に対し個別専門家「人身取引対策アドバイザー」を派遣し、ベトナムの人身取引にかかる状況や関係機関による取り組み、課題等に関する調査を行った。同調査を通じて、ベトナムでは労働や国際結婚を目的とした海外移民の増加に伴い人身取引の問題が深刻化するなかで、人身取引対策に特化した情報提供やカウンセリングのニーズが増えているものの、包括的なサービスが提供できていないことが明らかになった。このような状況の下、JICAは2012年~2016年まで、「人身取引対策ホットラインにかかる体制整備プロジェクト」(以下「先行フェーズ」)を実施し、労働傷病兵社会省(Ministry of Labour, Invalids and Social Affairs、以下「MOLISA」)が2004年から運営している子どものためのホットライン機能を拡大し、人身取引被害の予防や被害者への支援を目的とするコールセンターの設立、運営を支援した。

先行フェーズでは、ハノイ市にオペレーションセンターを設置し、プロジェクトサイトとして選定したアンザン省とハザン省にコネクティング・ユニットを設置した。人身取引対策に関する問い合わせに対応するためには、関係機関との協力体制の構築が不可欠となるが、先行フェーズの成果として、合意文書“Joint Plan on Operation of Anti-Trafficking in Persons”(2015-2020)が締結され、ホットラインの運営やレファラル、認知向上活動に関する省庁横断的な協力体制が明記された。

しかしながら、近年人の移動の活発化により、人身取引被害の範囲は拡大し、被害の形態も複雑になってきている。このような状況のなかで、MOLISAより、先行フェーズでは限定的だった人身取引対策ホットラインをベトナムの他の地域へも広げるため、ハノイ市、アンザン省、ダナン市に地域コールセンターを設置するための技術協力の要請書が提出された。地域コールセンターの設置地域として提案のあったべトナム中部のダナン市は、観光産業をはじめ経済が急速に発展しており、今後人身取引被害の増加が見込まれる地域である。本フェーズにおいては、上記3地域の地域コールセンターの整備、運営を支援し、MOLISAと関係機関との協力体制を更に強化することで、より多くのユーザーに役立つホットラインの運営を目指す。

目標

上位目標

人身取引被害者及び潜在的被害者に対する適切なレファラルが地域レベルにおいて実施される

プロジェクト目標

人身取引対策ホットラインの運営が地域レベルにおいて強化される

成果

成果1:関係機関との連携により、中央及び省・市レベルでレファラル及び情報共有体制が強化される
成果2:ハノイ(北部地域)、アンザン県(南部地域)、ダナン市(中部地域)において人身取引対策地域コールセンターが整備される
成果3:全国において人身取引対策ホットラインにかかる人々の認識が向上する

活動

0 ベースライン及びエンドライン調査を実施する
1-1 中央においてプロジェクトのキックオフミーティングを実施する
1-2 ホットライン運営上の連携体制にかかるIAWT(Inter-Agency Working Team)定期会議及びワークショップを実施する
1-3 DOLISA(Department of Labour, Invalids and Social Affairs)フォーカル・ポイントへのレファラル体制にかかるセミナーを実施する
1-4 関係機関からのレファラル情報をもとにE-ディレクトリを更新する
1-5 合意文書を改定する
1-6 近隣諸国とベトナム国内において、経験共有を実施する
2-1 人身取引対策ホットラインオペレーショナルガイドライン(2015年)を改定する
2-2 地域コールセンターの人身取引対策ホットラインの機材の調達、データベース管理ソフトを拡充する
2-3 電話相談員に対する研修を実施する
2-4 カウンセリングサービスの質を内部・外部評価する
2-5 人身取引対策ホットライン情報を分析し、半年ごとの報告書に取りまとめる
3-1 包括的な啓発活動計画を策定する
3-2 啓発教材・グッズを作成する
3-3 啓発活動(メディア、パンフレット、カレンダー等)を実施する