プロジェクト概要

プロジェクト名

高効率燃料電池と再生バイオガスを融合させた地域内エネルギー循環システムの構築

対象国名

ベトナム

署名日(実施合意)

2014年9月30日

プロジェクトサイト

ホーチミン

協力期間

2015年4月3日から2020年3月30日

日本側機関

九州大学(研究代表機関)、静岡大学、民間企業4社等

相手国機関名

ベトナム国家大学ホーチミン校・ナノテク研究所(INT、VNU-HCM)、ホーチミン工科大学(HCMUT)、カントー大学

背景

ベトナムの持続可能な発展のため、農村地域への安定した電力供給が最も重要な課題の1つとなっている。ベトナムの農村部では、電力系統が十分に整備されていない地域もあり、その場合は、化石燃料で作動する熱機関(ガスおよびディーゼルエンジンなど)を分散型発電機として使用して電力を賄っている。

近年、温室効果ガス排出量の削減のため、バイオマス発電が注目されている。しかしながら、燃焼プロセスに基づく熱機関を用いた発電では、発電効率が約20~30%と低い。これに対し、電気化学プロセスに基づく燃料電池による発電を導入することで、燃料の化学エネルギーを、熱エネルギーを介さずに直接電気エネルギーに変換することが可能となり、発電効率が50%に達することが期待される。

本プロジェクトでは、メコンデルタ地域において、現地で容易に回収できる有機性廃棄物(エビ養殖汚泥、稲わら、バガス、ココナッツの搾りかす等)をエネルギー資源として利用し、地域の低炭素化を実現することを目指すが、この際、有機性廃棄物をメタン発酵して得られるバイオガスで作動する固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術を開発し、これを導入した高効率でクリーンなエネルギー循環システムを実証する。

加えて、メタン発酵消化液と現地の籾殻から製造した炭肥料を適用した農業の実践とそれによる農産物の生産性向上、養殖池汚泥の回収・利用による水質改善とそれによるエビ養殖の生産性向上にも取り組み、ベトナムにおける安定したエネルギー供給と環境の改善に貢献する。

目標

上位目標と指標

現地の人々の生活水準向上に寄与する有機性廃棄物をエネルギー源とする持続的な地域内エネルギー循環システムの活用の推進により低炭素社会の実現に寄与する。

指標

メコンデルタ地域において本プロジェクトで開発されたエネルギー循環システムが導入される

プロジェクト目標と指標

現地のバイオエネルギーで作動する高効率燃料電池が開発され、エビ養殖地の汚泥等有機性廃棄物をエネルギー源として活用した環境にやさしいエネルギー循環システムが実証される。

指標

・現地のバイオエネルギーで発電する高効率燃料電池の開発
・実証サイトのエビ養殖汚泥および周辺で回収できる有機性廃棄物を燃料として得られる電力が1kWとなる
・プロジェクトで実証されたエビ養殖池の汚泥等有機性廃棄物を活用したエネルギー循環システムの電力供給能力が経済社会的、環境的、財務的な便益を含め相手国側実施機関が主催するセミナー等を通じて内外に認知される
・プロジェクトの研究結果が国際的に認められたジャーナル誌で発表される

期待される成果

【成果1】
固体酸化物形燃料電池(SOFC)用ラボが整備される。

【成果2】
バイオガスにより作動するSOFCシステムが開発される。

【成果3】
現地のバイオマス資源から安定的なバイオガスが製造される。

【成果4】
エビ養殖、汚泥収集、バイオガス製造、野菜栽培、発電システム、低コスト水質管理等により構成されたエネルギー循環モデルが実演される。

【成果5】
専門家パネル会議の討議を通じてのSOFC技術システムの普及ロードマップデザインが作成される。

投入

日本側投入

1)在外研究員派遣:長期1名、短期約20名
2)供与機材:固体酸化物形燃料電池(SOFC)実験室に設置する機材、バイオエネルギー/水管理研究室、実証サイトを整備するための施設
3)招へい外国人研究員受け入れ:受入費用
4)その他費用:プロジェクト管理費用等

相手国側投入

1)研究者・学生:SOFC開発、バイオエネルギー生産、水質管理等
2)施設と設備:実験用のインフラを備えた研究スペースの整備、研究実施のための消耗品等
3)その他費用:専門家執務スペースの提供等