電子商取引をテーマとした公開セミナーの開催

2020年2月19日

2020年2月19日、本プロジェクトの枠組みの下、ハノイにて、ベトナム競争消費者庁が主催する、電子商取引市場における競争環境をテーマとした公開セミナーが開催されました。
本セミナーでは、ベトナム競争消費者庁及び日本の公正取引委員会の職員のほか、ベトナム商工省の電子商取引・デジタル経済庁の職員が登壇し、急速に成長している電子商取引市場における競争環境の整備について、ベトナム・日本両国の経験や現状に関する講演が行われました。
この中で、ベトナム競争消費者庁の職員は、2018年に改正された競争法において、特に電子商取引市場における事業活動に関して重要となる規定等について紹介したほか、電子商取引・デジタル経済庁の職員からは、ベトナムの電子商取引市場の拡大に伴って社会的問題となっている欺瞞的行為等に対する法整備状況等について説明がなされました。
ベトナムにおける電子商取引市場(B to C)については、電子商取引・デジタル経済庁の職員の説明によると、毎年20~30%のペースで拡大しているとのことで、中小企業や起業家による新規参入が期待されている場となっているものと思われます。
日本と同様、中小企業の割合が非常に高いベトナムにおいては、仮に電子商取引市場における公正な競争環境が確保されない場合には、不公正な競争行為のほか、市場支配的地位の濫用や経済力の過度な集中が生み出され、創意工夫を発揮しようとする中小企業や起業家に対して不当な不利益がもたらされ、起業家精神が損なわれることとなります。
このため、電子商取引市場における公正な競争の確保はベトナム経済の持続的な発展にも寄与するものと思料され、当該分野での改正競争法の的確かつ積極的な運用が不可欠なものと考えられます。

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公開セミナーの様子